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ウェイドがレブロンを説得していなかったら名将は誕生していなかった? 本人が当時を回顧「準備において、彼の右に出る者はいなかった」<DUNKSHOOT>

THE DIGEST編集部

2023.10.06

ポッドキャスト番組でスポールストラHCとのエピソードを語ったウェイド。(C)Getty Images

 マイアミ・ヒートのエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は、チームを指揮して15年、歴代20位の通算704勝を誇るリーグ屈指の名将のひとりとなった。

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しかし、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュの"スリーキングス"を結成した2010-11シーズン当初、レブロンら選手たちがその手腕に疑問を抱いていたことは有名な話。ウェイドはHC交代を求めようとする動きの仲裁に入っていたことを振り返っている。

 2010年夏、ヒートにフリーエージェントでレブロンとボッシュが加入し、それまでエースを担ってきたウェイドを含めた2003年ドラフト組のスーパースター3人が集結。"スリーキングス"と呼ばれ、2年連続でプレーオフ1回戦敗退だったチームは一躍優勝候補に躍り出た。

 ところが、ヒートは開幕17試合で9勝8敗とスタートダッシュに失敗。当時指揮官3年目だったスポールストラHCは、レブロン、ウェイド、ボッシュのビッグネーム3人を使いこなすことに苦しんでいた。

 そのなかで、レブロンら選手たちはHC交代を求めたとされるが、パット・ライリー球団社長が「エリック(スポールストラ)がHCだ。私は彼をサポートする。コーチングすることに私は興味がない」と続投を支持。最終的にイースト2位の58勝(24敗)を挙げ、NBAファイナルまで勝ち進むことになる。
 
 元NFL選手のシャノン・シャープがホストを務めるポッドキャスト番組『Club Shay Shay』にウェイドが出演した際に語ったところによれば、スリーキングスが揃う前のミーティングで「コーチとしてのライリーか、コーチとしてのスポールストラか」を話す機会があったという。そして、ウェイドはスポールストラHCからの交代を望むレブロンに対して、ライリーがHCに復職するような動きは止めるように説得していた。

「彼(レブロン)に『ライリーのことは好きだけど、このチームを指揮してほしくない』と伝えたんだ。スポ(スポールストラHC)は経験に欠けていて、すぐに優勝するためには経験豊富なコーチが必要だった。スポが正しい成長をできるように手助けするつもりだった。誰も"ゴッドファーザー"に降臨してきてほしくないだろ(笑)? ライリーは2006年に優勝を果たした。私もそれを経験した。それで十分だった」

 もっとも、そんなウェイドも、スポールストラHCがアシスタントコーチから昇格した際には疑問の目を向けていたと明かす。

「チームが(2008年に)スポをHCにした時、『何をしているんだ? 間違った決断だ』と思った。(オーナーの)ミッキー・アリソンとニック・アリソンが私を座らせて、『ビデオルームからスポを呼ぶぞ』と言ったのを覚えている。私は『名のあるコーチを探しているんだ。僕はスターだから、ドック(リバース)を呼んでくれ』と直訴したよ」

「スポがコーチになったばかりの時はひどかったもんさ。でも、彼は全力で準備するつもりだった。準備において、彼の右に出る者はいなかった。タイムアウトを取るタイミングを学ばなければいけないだけだった。タイムアウトを経てどんなプレーをするか、試合終盤にどんなことが起こるか、コーチとして学ばなければいけなかった」

 今でこそリーグ優勝2回を誇る名将の1人となったスポールストラHCだが、ウェイドがレブロンをなだめていなかったら、ヒート一筋15年で指揮を執るシナリオはなかったかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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