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「彼の可能性は底が知れない」キングス指揮官が高く評価。NBAでも本領を発揮しつつある欧州MVPヴェゼンコフ<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.11.16

今季NBA入りしたヴェゼンコフは11月13日のキャブズ戦、3本の3ポイントを含む11得点の活躍を披露した。(C)Getty Images

 欧州MVPの称号をひっさげて今季サクラメント・キングスに加入したブルガリア代表のパワーフォワード、サーシャ・ヴェゼンコフが、徐々に本領を発揮し始めている。

 11月13日に行なわれたクリーブランド・キャバリアーズ戦では、17分間で得意の3ポイント3本を含む11得点をマーク。キングスは132-120で勝利を収め、連勝を3に伸ばした(15日のロサンゼルス・レイカーズ戦も勝利し5連勝)。

 この試合では、足首の捻挫で5試合を欠場していたエースガードのディアロン・フォックスが復帰。いきなりゲームハイの28得点と主砲の働きを見せたが、彼とヴェゼンコフのコンビネーションからも決め手となるショットが生み出された。

 試合後フォックスは、「彼はゲームを楽しめるようになってきているように思う」と28歳のルーキーについてコメント。

「知人が誰もいない場所へ1人で来るというのは大きな環境の変化だ。相当大変なことだと思うし、それは僕らのほとんどが体験したことのないものだ。州をまたぐんじゃなくて、海を超えるんだからね」

 ヴェゼンコフの体験を、自分の身に置き換えて語るところにフォックスの人柄の良さを感じる。

「彼自身が楽しんでプレーできるようになって、シュートも決まるようになってきた。そのことで肩の荷が下りたようなところもあると思う。彼は今、バスケットボールをすることに喜びを感じていて、それは彼にとっても、僕らにとっても素晴らしいことだよ」
 
 フォックスは、プレシーズンの時からヴェゼンコフを「世界でベスト級のシューター」と称賛していた。2017年のデビュー以来キングスでプレーする生え抜きエースのそうした言葉もまた、彼に居心地のよいプレー環境を与えていることだろう。

 さらに「彼の可能性は底が知れない」と語っているのが、マイク・ブラウンHC(ヘッドコーチ)だ。

「サーシャは、両エンドで優れたバスケ感覚を持っている。彼のような選手がいてくれると、他の選手にも余裕が生まれる。それに彼は小さいことをたくさんやってくれるんだ」

 指揮官は、キャブズ戦でヴェゼンコフが対角線上のコーナーまで激走して決めたスリーポイントについて「ああいう走りをしてくれると、必ずみんなにとって良いことが生まれるんだ」と高評価。そのパフォーマンスによって、スタッツには表れていない部分でもチームに恩恵がもたらされていると強調した。

 リバウンドについては、11月1日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦の5本が最高だが、本来リバウンドこそヴェゼンコフの代名詞のひとつだ。
 
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欧州時代には、ドリブルを1度もつかずに24得点をマークしたことも