NBA

「タフなマッチアップだった」元マブズのノビツキーがウォリアーズに苦杯を舐めた2007年プレーオフを回想<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.12.06

2006-07シーズン、ノビツキー擁するマブズはリーグ最高勝率を残したが、プレーオフ1回戦で第8シードのマブズにまさかの敗退を喫した。(C)Getty Images

 11月30日(日本時間12月1日、日付は以下同)、元NBA選手のマット・バーンズとスティーブン・ジャクソンがホスト役を務める人気ポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』のエピソードが公開された。

 同番組には元ダラス・マーベリックスのダーク・ノビツキーがゲスト出演したが、ドイツ出身のレジェンドにとってバーンズとジャクソンとは因縁がある。というのも、2006-07シーズンにマブズはリーグベスト&球団史上最高となる67勝15敗(勝率81.7%)を残してノビツキーは欧州出身選手で初のMVPに輝いた。しかしマブズはプレーオフ1回戦で両選手が所属するウエスタン・カンファレンス第8シードのゴールデンステイト・ウォリアーズに2勝4敗で敗れるアップセットを味わったからだ。

 当時のウォリアーズはノビツキーをルーキー時代から知るドン・ネルソンがHC(ヘッドコーチ)を務め、ロスターにはバロン・デイビスやジャクソン、ジェイソン・リチャードソン、バーンズらが所属。彼らはクイックネスに秀でた相手とのマッチアップを苦手としていたノビツキーを苦しめ、シリーズ平均19.7点、フィールドゴール成功率38.3%に抑え込んだ。

 ノビツキーは16年前の出来事を次のように振り返っていた。
 
「あれはタフなマッチアップだった…。ネリー(ネルソン)が我々をコーチしたことがあり、すべてを把握していただけでなく、(私たちを倒すために)何をすべきか知り尽くしていた。間違いなく多くのチームが青写真を描いていたけど、彼ら(ウォリアーズ)にはそれをやり遂げることが可能な人員が揃っていた。

 君たちはスモールチームで戦えて、それが常に私に問題をもたらしていたんだ。君たちはポストで正面に立っていた。本来、私は誰が相手であろうと(ボールを)キャッチできるけど、あの当時、チームは私へボールを渡すのに苦しんでいた」

 マブズは2005-06シーズンにウエストを勝ち上がり、初のNBAファイナル進出を果たしたものの、ドゥエイン・ウェイド擁するマイアミ・ヒートに2連勝から4連敗で逆転負け。翌年はそのリベンジに燃えていただけに、シーズン42勝の相手に下剋上を食らったのは痛恨だったに違いない。

 その後チームはノビツキー、ジェイソン・テリー、ショーン・マリオン、ジェイソン・キッド(現マブズ指揮官)、タイソン・チャンドラーらを擁し2011年に優勝。ノビツキーはファイナルMVPに輝いて悲願を達成したが、リーグ最高勝率を残しながら早期敗退を味わった2007年プレーオフは、今もほろ苦い思い出として残っているようだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

レジェンドのノビツキーがまさかの人違いに遭遇。「あまり似てないけど」と困惑も、相手を気遣う大人の対応<DUNKSHOOT> 

マブズOBのノビツキーがバスケットボールの進化を語る「私が少しでも影響を与えられていたら嬉しい」<DUNKSHOOT>

【NBAデュオ列伝】ノビツキー&ナッシュ――どん底のマブズを強豪へ押し上げた史上最高の外国人コンビ|前編
NEXT
PAGE
【動画】“We Believe”ウォリアーズがマブズを撃破したシリーズをプレーバック!