ラスベガスで行なわれたインシーズン・トーナメント準決勝で、ミルウォーキー・バックスはインディアナ・ペイサーズに119-128で敗れた。
試合はバックスの3点リードで最終クォーターに突入し、終盤までシーソーゲームが続いたが、このクォーターだけで8本のオフェンシブ・リバウンドを奪い、そこから13点をマークしたペイサーズが最終的に勝利を引き寄せた。
バックスは、後半だけでペイサーズに11本のオフェンシブ・リバウンドを奪われ、試合後に「その要因はゾーンディフェンスが機能しなかったからか?」と記者から尋ねられたエースのヤニス・アテトクンボは、「シンプルに、相手が僕たちよりもハードにプレーしたということだ」と回答。
「確かにゾーンはエリアで守るから違いはあるが、それが要因だったわけじゃない。セカンドチャンスで23ポイントも奪われたのは、相手のプレーが自分たちよりも勝っていたということだ」と、37得点、10リバウンドと奮闘した元MVPは白旗を上げた。
さらにヤニスが指摘したのは、両チームのベンチメンバーのインパクトの差だ。
「僕は普段スタッツシートを見ないけど、この試合の後に見てみてわかったよ。僕らは彼らのベンチにやられたんだってね」
ペイサーズが、アイザイア・ジャクソンの11得点、6リバウンドを筆頭に、計43点と総得点の3分の1を控えメンバーが叩き出したのに対し、バックスはわずか13得点と、その違いは明らかだった。
「自分たちにはタレントが揃っているから勝てる、みたいな空気を時々感じることがあるけれど、それは間違いだ。誰も何もくれたりはしない。自分たちで取りにいかなくちゃ何も手に入らない。自分たちで勝ちにいく、それが一番重要なことなんだ」
今夏にバックスはオールスターガードのデイミアン・リラードやシューターのマリーク・ビーズリーを獲得。ここ数年、ほぼ同じ主力メンバーで戦ってきた環境に変化が生じ、現在はケミストリーの構築中だというが、まずチームとしてやるべきことは何かがプレーから見えてこないことをヤニスは強調した。
「時々、自分たちのチームはまったく組織化されていないように感じることがある。オフェンスで何をしようとしているのかわからなかったり、ディフェンスで全力でスプリントバックできていなかったり。(中略)でもそれはコーチたちの責任じゃない。コーチには僕たちにこういうプレーをしてほしいという希望がある。それをコート上で実践するのは僕ら選手だ。全力疾走でディフェンスに戻らなかったら、それはコーチの責任じゃなく選手の落ち度だ」
ペイサーズの司令塔タイリース・ハリバートンは、この試合で27得点、15アシストを記録。チーム全体のアシスト数もペイサーズ30本に対しバックスは19本と、組織的なプレーに乏しかったことは数字にも出ている。
「チームにいる選手たちのレベルはとんでもなく素晴らしい。ただ、もっとうまくオーガナイズする必要がある。週に2試合しかないヨーロッパとは違い、ここでは練習する時間はほとんどない。だから試合をやる中で訓練していくしかないんだ。この試合もビデオを見直して、お互いどうすべきだったか選手同士で課題をしっかり話しあって改善する、それが自分たち選手の義務だ」
今ひとつ波に乗り切れていない印象のあるバックスだが、 人一倍ストイックなことで知られるヤニスが、激励の思いをこめて飛ばした愛ある檄は、仲間たちを奮い立たせるか。
文●小川由紀子
「これはミルウォーキー・バックスじゃない」ヤニスがチームのディフェンス難に警鐘<DUNKSHOOT>
ロスター変更の影響かスロースタートなバックス。新戦術に試行錯誤もミドルトンは「そろそろ行動に移さなければ」<DUNKSHOOT>
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バックスは、後半だけでペイサーズに11本のオフェンシブ・リバウンドを奪われ、試合後に「その要因はゾーンディフェンスが機能しなかったからか?」と記者から尋ねられたエースのヤニス・アテトクンボは、「シンプルに、相手が僕たちよりもハードにプレーしたということだ」と回答。
「確かにゾーンはエリアで守るから違いはあるが、それが要因だったわけじゃない。セカンドチャンスで23ポイントも奪われたのは、相手のプレーが自分たちよりも勝っていたということだ」と、37得点、10リバウンドと奮闘した元MVPは白旗を上げた。
さらにヤニスが指摘したのは、両チームのベンチメンバーのインパクトの差だ。
「僕は普段スタッツシートを見ないけど、この試合の後に見てみてわかったよ。僕らは彼らのベンチにやられたんだってね」
ペイサーズが、アイザイア・ジャクソンの11得点、6リバウンドを筆頭に、計43点と総得点の3分の1を控えメンバーが叩き出したのに対し、バックスはわずか13得点と、その違いは明らかだった。
「自分たちにはタレントが揃っているから勝てる、みたいな空気を時々感じることがあるけれど、それは間違いだ。誰も何もくれたりはしない。自分たちで取りにいかなくちゃ何も手に入らない。自分たちで勝ちにいく、それが一番重要なことなんだ」
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「時々、自分たちのチームはまったく組織化されていないように感じることがある。オフェンスで何をしようとしているのかわからなかったり、ディフェンスで全力でスプリントバックできていなかったり。(中略)でもそれはコーチたちの責任じゃない。コーチには僕たちにこういうプレーをしてほしいという希望がある。それをコート上で実践するのは僕ら選手だ。全力疾走でディフェンスに戻らなかったら、それはコーチの責任じゃなく選手の落ち度だ」
ペイサーズの司令塔タイリース・ハリバートンは、この試合で27得点、15アシストを記録。チーム全体のアシスト数もペイサーズ30本に対しバックスは19本と、組織的なプレーに乏しかったことは数字にも出ている。
「チームにいる選手たちのレベルはとんでもなく素晴らしい。ただ、もっとうまくオーガナイズする必要がある。週に2試合しかないヨーロッパとは違い、ここでは練習する時間はほとんどない。だから試合をやる中で訓練していくしかないんだ。この試合もビデオを見直して、お互いどうすべきだったか選手同士で課題をしっかり話しあって改善する、それが自分たち選手の義務だ」
今ひとつ波に乗り切れていない印象のあるバックスだが、 人一倍ストイックなことで知られるヤニスが、激励の思いをこめて飛ばした愛ある檄は、仲間たちを奮い立たせるか。
文●小川由紀子
「これはミルウォーキー・バックスじゃない」ヤニスがチームのディフェンス難に警鐘<DUNKSHOOT>
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