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「組織として怒鳴りつけないと」KGがグリーンと“本気で向き合わない”ウォリアーズにダメ出し「本気で話すことを恐れている」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.12.19

グリーンは12月12日の試合で相手選手の顔を殴打。過去の“前科”もあり、NBAから無期限の出場停止処分を受けた。(C)Getty Images

 ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは、現地時間12月12日(日本時間13日、日付は以下同)のフェニックス・サンズ戦でユスフ・ヌルキッチの顔を殴打したとして、NBAから無期限の出場停止処分を科された。最低でも3週間は欠場すると報じられるなかで、殿堂入り選手のケビン・ガーネット(KG)は、グリーンの手綱を握り切れなかったフランチャイズに厳しい見解を突きつけている。

 2012年のドラフト2巡目35位指名でウォリアーズに入団したグリーンは、これまでのキャリア11年間でリーグ優勝4回、オールスター出場4回、オールディフェンシブ1stチーム選出4回、スティール王に輝いた17年には最優秀守備選手賞を受賞するなど、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソンと並んでウォリアーズの黄金期を語る上で欠かせない選手だ。

 一方、フレイグラントファウルの常習犯でもあり、クリーブランド・キャバリアーズと対戦した16年のNBAファイナル第4戦ではレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)の股間付近を叩き、累積によるペナルティで重要な第5戦で出場停止処分。その後ウォリアーズはキャブズに3連敗を喫し優勝を逃した。

 今季はすでに退場3回。11月のクリーブランド・キャバリアーズ戦でテクニカルファウル2回、ミネソタ・ティンバーウルブズ戦ではルディ・ゴベアに見舞ったヘッドロックが問題視され、5試合の出場停止処分も受けた。

 そして今回、グリーンはサンズ戦の第3クォーター残り8分、ポジション争いをしていたヌルキッチの顔面を右手で殴打し、フレイグラントファウル2をコールされて退場処分に。これまでのスポーツマンとしてふさわしくない行為の数々を考慮したものとして、NBAは無期限の出場停止処分を発表。処分は直ちに適用され、復帰するにはリーグやチームが定めた条件を満たす必要があるとされている。
 
 グリーンのような熱いハートを持った存在は、優勝を目指すチームにとって鍵を握る一方で、"諸刃の剣"でもある。08年にボストン・セルティックスで優勝経験を持つKGは、『SHOWTIME Basketball』の人気ポッドキャスト番組『The Ticket and The Truth』でウォリアーズの姿勢を問題視した。

「ドレイモンドはハート&ソウルタイプの男。彼のエネルギーとパッションは大きな力だ。オフェンシブ・リバウンドを取り、(レイカーズの)アンソニー・デイビスを止め、スティールする。みんなアクティブな彼のプレーは好きだ。この種のふざけた出来事が起こっているのを目にした場合、組織として介入する必要がある。座らせて、『我々は君を見ている』と怒鳴りつけないといけない」

 KGは、ウォリアーズがグリーンに対して、本音で向き合っていないと指摘する。

「ゴールデンステイトは、彼(グリーン)と本音で話すことを恐れていると思う。ただ、もし誰かが立ち上がって声を挙げなければ、10億ドル(約1430億円)の企業でも愚か者を演じるわけじゃない。彼を恐れているんだ。あるいは、『本当はこんなことしたくない』と思っているかだね」

『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によれば、グリーンはカウンセリングプロセスを開始しており、最低3週間は出場停止による欠場が続く見込みだという。ウォリアーズは今後、33歳のオールラウンダーを改心に導けるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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