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バックスの守備はなぜ改善された?「時間の経過と経験」とリラード、ミドルトンは「コミュニケーションがカギ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.12.26

開幕直後は崩壊していたバックスのディフェンスだが、徐々に改善されてきている。(C)Getty Images

 今季のミルウォーキー・バックスは、破壊力抜群のオフェンス力を誇る一方で、昨季まで武器だった堅守に綻びが生じていた。現地時間12月24日(日本時間25日、日付は以下同)時点でディフェンシブ・レーティングはリーグ16位の114.9。ヤニス・アデトクンボ、ブルック・ロペスという守備巧者がいる傍ら、先発バックコートのデイミアン・リラードとマリーク・ビーズリーはオフェンシブな選手ということもあり、開幕からしばらくはリーグの底辺を彷徨っていた。

 それでも、12月の10試合ではリーグ10位の114.7まで改善。特に7連勝を飾った11日~23日の期間に限ってみれば、同7位の112.7まで強化することができている。

 その要因を、リラードはこう話す。

「時間の経過と経験かな。俺たちは個人、それにチームとして自分たちが求める位置とかけ離れてしまい、フラストレーションが溜まる瞬間がいくつもあった。俺みたいに新しい状況でプレーする選手もいるから、こういうことはよく起こるものなんだ」

 アデトクンボと並んで在籍11年目を迎えたクリス・ミドルトンは、選手間のコミュニケーション向上も大きなポイントになったと指摘する。
 
「コミュニケーションがカギなんだ。練習で多くの時間を一緒に過ごしていないようなベテランチームでは特にね。一緒になってたくさん過ごしていれば、試合や自分たちがどうすべきか、どのようにしてプレーしたいかを話し合えるからね。それによって、お互いにどのようにして補完していけばいいのかを理解することができるんだ」

 現在、バックスはジェイ・クラウダーがケガで離脱しているものの、ブルック&ロビンのロペス兄弟がキャリア16年目、リラード、ミドルトン、クラウダーがそれぞれ12年目、アデトクンボが11年目と、6選手が10年以上のプロキャリアを誇っている。そのほか、ボビー・ポーティスとキャメロン・ペイン、パット・カナトンが9年目、ビーズリーが8年と、ベテラン揃いのチームを形成している。

 開幕直後こそ若干躓いたものの、レギュラーシーズンの約3分の1を経過した段階ながら、リラードが話したとおり、ここまでは順調にチームケミストリーを構築できているのではないだろうか。

 とはいえ、まだ完璧なわけではない。ニューヨーク・ニックスとのクリスマスゲームではまたもディフェンスが崩壊し、相手に129点を献上して敗れている。来たるプレーオフまでに、ディフェンス面の完成度を高めておきたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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