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NBA

ヨキッチとの“MVP対決”を制したエンビードを指揮官が称賛「彼は最後までゲームの流れを読めていた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.01.18

ヨキッチとのMVP対決を制したエンビードは試合後、「君がベストプレーヤーだ」と相手を称えつつ、自らの自信も覗かせた。(C)Getty Images

ヨキッチとのMVP対決を制したエンビードは試合後、「君がベストプレーヤーだ」と相手を称えつつ、自らの自信も覗かせた。(C)Getty Images

 現地時間1月16日、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは本拠地ウェルズファーゴ・センターで昨季王者デンバー・ナゲッツを126-121で下して3連勝を飾った。

 前日のヒューストン・ロケッツ戦に続く2連戦の2日目となったこの試合、シクサーズはジョエル・エンビードがフィールドゴール成功率59.1%(13/22)、3ポイント成功率50.0%(3/6)、フリースロー成功率80.0%(12/15)でゲームハイ41得点の大暴れ。

 ロケッツ戦の41得点、10リバウンドに続いて2夜連続、今季8度目の40得点超えをマークしたエンビードは、リーグベストの平均35.1点に11.6リバウンド、6.1アシスト、1.10スティール、1.93ブロックと、2シーズン連続のMVPに向けて順調な歩みを見せている。

 シクサーズではエンビードのほか、タイリース・マキシーが25得点、5リバウンド、9アシスト、2スティール、トバイアス・ハリスが24得点、5リバウンド、4アシスト、2ブロック、ケリー・ウーブレイJr.が11得点、5リバウンドを残して大黒柱をサポートした。

 一方のナゲッツは、ニコラ・ヨキッチが25得点、19リバウンドを残すもアシストは3本止まり。さらにシクサーズの守備の前に4ターンオーバーを喫してしまい、“MVP対決”はエンビードに軍配が上がった。
 
 試合後、ヨキッチに「『君こそがリーグのベストプレーヤーだ』と伝えた」と明かしたエンビードは「俺たちは試合に勝つためにバスケットボールをプレーしている。でも彼は称賛を受けるにふさわしい。誰かが倒すまで、彼がリーグベストだ。ファイナルMVPだからね。それを奪われるまで、彼はそう主張できるのさ」と好敵手を称えたが、「もっとも、俺は自分のことも信じている」と自信を覗かせていた。

 今季のエンビードは得点とアシストに加え、フリースローの平均試投数11.9本、成功数10.5本、成功率88.1%でもキャリアハイを記録している。今季からチームを率いるニック・ナースHC(ヘッドコーチ)は29歳の大黒柱について「彼は優れたシューターだ」と評しつつ、プレーメーキング面も称えた。

「彼は試合の最後までゲームの流れを読めていた。終盤に点を取り続けたが、それまでは本当に良くゲームを読んでダブルチームから味方を見つけていた。どれだけアシストしたんだっけ? 10か。しかも序盤でやったんだ。10本のうち、ほとんどは第4クォーターに入る前に決めた。そして最後はオフェンシブなプレーへ取りかかった。点を取りにいったんだ」

 この日10アシストを記録したエンビードは前半だけで7本、第3クォーター終了時点ですでに10本に到達。最終クォーターは“スコアラーモード”に入り、両チーム最多の11得点を稼ぎ出した。

 マッチアップ相手との駆け引きからファウルを誘発してフリースローを獲得したり、エルボー付近の1オン1ではドライブやフェイダウェイジャンパーを使い分けるなど、昨季のMVPは成長を続けている。

 シクサーズはエンビード加入後、6年連続でプレーオフに出場しているものの、一度もカンファレンス・セミファイナルの壁を突破できずにいる。ナース新HCの下、今季こそその道を拓けるか注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)
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