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ウェンバンヤマ中心の再建に「デッドラインはない」。スパーズのオーナーが語る名門復活への青写真<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.01.20

シーズン序盤に18連敗を喫するなど最下位に沈むスパーズだが、期待通りの活躍を見せるウェンバンヤマとともに、じっくり成長していく構えだ。(C)Getty Images

 現在7勝33敗でウエスタン・カンファレンスの最下位に沈むサンアントニオ・スパーズ。 大型新人のヴィクター・ウェンバンヤマは、平均19.8点、10.1リバウンドのダブルダブルに加え、3.11ブロックはリーグトップと期待を裏切らない活躍を見せているが、それでも球団ワーストの18連敗を喫するなど、厳しい状況が続いている。

 そんななか、球団オーナーのピーター・J ・ホルト氏がフランスを訪問。地元紙『レキップ』 に、現状について語っている。

 現在37歳のホルト氏は、2017年11月に先代の父親から、ファミリービジネスである Holt Cat 社の経営権を譲り受けた。Holt Cat 社はテキサス州を拠点にキャタピラーやトラクターなどの製作・販売、エネルギー、建設、鉱業、工業などの事業を営む会社で、ホルト氏は4代目にあたる。

 スパーズの経営には、父親の代だった1993年に参入。それから間もない1996-97シーズンに20勝62敗という球団ワーストの成績でシーズンを終えると、当時10歳だったホルト少年は学校で罵声を浴びせられ、父にスパーズを手放すよう頼んだこともあったという。
 
 しかしそのシーズン中にアシスタントからヘッドコーチに昇格したグレッグ・ポポビッチが、その後5回の優勝(99年、2003年、05年、07年、14年)を達成し、彼らはスパーズに黄金期をもたらすことになったのだった。

 ホルト氏がオーナーとなったここ数年は、いずれも40勝以下と苦しい時期が続いているが、ゼネラルマネージャーのRC・ビュフォードに加え、ポポビッチHCは5年間の契約延長と、長年ともにチームを構築してきたメンバーを核に、長期スパンで復興に取り組む意思を同氏は強調している。

「確かに負けるのは大嫌いですし、我々の成績は、日々を送る上で厳しいものではあります。しかし我々には、あらゆるメジャースポーツで最も長くプレーオフに出場してきた歴史があります。それがあるからこそ、私たちは自分たちの理念を信じ、さらにその先を展 望することができるのです」

 ウェンバンヤマのルーキー契約は27年までだが、それまでに軌道に乗せなければいけないという危機感もないという。

「私たちはそのようなことは考えていませんし、成功にデッドラインがあるとは思っていません。近道をしてトップになろうとする人もいます。しかしそれはたいてい裏目に出ます。ヴィクターのような傑出した才能を持つ選手と他の優秀な選手たちを抱えながら、ポップの契約を5年間延長し、チャンピオンチームを作り上げたRC(ビュフォード)を信頼する、というのが正しいことだと思っています」
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