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NBA

「何より負けることが嫌い」低迷するスパーズの現状に苛立つウェンバンヤマと、ポポビッチHCが描く未来予想図「段階を飛ばしてはならない」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.02.26

ウェンバンヤマ(左)とポポビッチHC(右)の師弟コンビがリーグの頂点に立つ日はいつ来るのか。(C)Getty Images

ウェンバンヤマ(左)とポポビッチHC(右)の師弟コンビがリーグの頂点に立つ日はいつ来るのか。(C)Getty Images

 11月から12月にかけて、球団の歴代ワースト記録更新となる18連敗。年明け後も7連敗と、サンアントニオ・スパーズの苦難は続いている。現地時間2月22日(日本時間23日)のサクラメント・キングス戦も、前半はスパーズがリードするも、最後は5点差で振り切られた。

 チームの若きエース、ヴィクター・ウェンバンヤマは、この試合で19得点、13リバウンド、4アシスト、5スティール、5ブロックと5部門で“5”超えを記録する“5x5”にあと一歩に迫る奮闘だったが、勝者にはなれなかった。

 再建中であるスパーズの現状を理解し、焦ることなくチームとともに根気よく成長していきたいという意思を常に強調しているウェンバンヤマだが、彼の言葉にやや苛立ちのようなトーンが含まれていたのは、週末のオールスター中のこんなコメントだ。

「僕はこれまでの人生でずっと、ステップを飛ばしてはいけないと言われてきた。しかし、だからといって階段を4段飛ばしで登ることを止めたことはない」
 
 ウェンバンヤマ自身は、ルーキーにして、アシスト(平均3.2)以外の4部門、得点(20.5)、リバウンド(10.1)、ブロック(3.2)、スティール(1.2)においてチームNo.1の数字を叩き出す、文字通りエース級の活躍をしている。しかしそれが結果に結びつかないというのは、彼にとってはこれまでのキャリアで初めての体験でもある。「何よりも負けることが嫌い」だと語る彼にとっては、精神的にも厳しい状況であるのは想像に難くない。

“ステップを飛ばしてはいけない”というのは、スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)が再三、口にしているセリフでもあり、彼はフランスの『レキップ』紙とのインタビューでもそれを繰り返している。

「マイケル・ジョーダンが初めてタイトルを獲ったのは7年目、ニコラ・ヨキッチは8年目だ。人々は、それよりも早くヴィクターには(優勝の)実現が訪れることを願っているかもしれないが、段階を飛ばしてはならない。そんなに簡単にできることなら、毎年優勝チームが入れ替わるはずだが、過去数年を見ても同じ顔ぶれだ。我々の成功のサイクルは30年にも及ぶ長いものだった。しかし、ゼロから始めなければならない時が来る。それが今日の私たちなのだ」
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