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NBA

「何より負けることが嫌い」低迷するスパーズの現状に苛立つウェンバンヤマと、ポポビッチHCが描く未来予想図「段階を飛ばしてはならない」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.02.26

 現在最下位にいる状況から見て、今年もプレーイン圏内に食い込むのは難しい。となると、5年連続でプレーオフ出場を逃すことになるが「チーム構築のスピードを早めるために、ベテランプレーヤーをリクルートするプランはないのか?」という質問に対して、ポポビッチは「今の状況でそれをやるのは時間とお金の無駄」だと言い切っている。

「大切なのは、その時が来たらすぐ行動できるよう備えておくことだ。まずは体制を整え、それができた時点で、何人かのフリーエージェントを迎える必要はあるだろう」

 ポポビッチ曰く「ここぞ」という時に投じるために、資金力はキープしておくというのがスパーズの現在のストラテジーであり、その「ここぞ」という時とは、ヴィクターを中心としたチームの土台が出来上がった時を指す。

 そのため、現状としては彼の周りで動けるデビン・ヴァッセルといった若手を育てていくことに時間を費やすことが最重要であり、彼らが全体として底上げされていくのに伴ってヴィクター自身も成長していく、というのが理想のシナリオだ。
 
 そのウェンバンヤマについて、ポポビッチはシーズン当初、最適なポジションの見極めなど「静観する」という姿勢をとっていた。そしてレギュラーシーズンも折り返し地点を過ぎた今、ポポビッチが導き出した答えは「ウイングで孤立したり、ブロックに入ったり、ピック&ロールに絡み、自分でリバウンドを取った後はそのまま攻撃に上がるといったオールマイティーな動き」だ。

「彼は時にセンターを務めるし、コート上で一番背が高いのだから多くの人がそう見ているだろうが、今は昔ながらのポイントガードやセンターはいない。すべてがインターチェンジ可能だ。彼は何でもこなすし、それこそが私が彼に期待していることだ。そしてまた、彼自身がその能力を持っている」

 ボールハンドリングを得意とするウェンバンヤマは、トランジションの際にドリブルしすぎる傾向があったが、それでボールを失うことも多かった。そして相手のスピードと運動能力に対抗するにはドリブルを減らす必要があると気づくと、自らプレーを変えたという。
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