NBA

「俺はお前を誇りに思うぞ!」憧れのデローザンから称賛されたトルコ出身の万能戦士オヌラルプ・ビティム<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.03.02

2月24日にブルズと本契約を結んだビティムは、28日のキャブズ戦で10得点、6リバウンドをあげて勝利に貢献した。(C)Getty Images

 少年時代から憧れていた選手と一緒にNBAのコートに立ち、ともに勝利を手に入れ、その本人の口から、「誇りに思う」と称賛される――。

 想像しただけでも夢のような話だ。

 シカゴ・ブルズに所属するトルコ代表のシューティングガード、オヌラルプ・ビティムが体験したのが、まさにそんな出来事だった。

 昨夏、ビティムはブルズと2WAY契約を締結し、2月24日にスタンダード契約に更新されると、28日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で、本契約後初の出場を果たした。

 試合は2度のオーバータイムにもつれこむ大接戦となったが、ブルズが132-123で制し、ビティムは約28分間の出場で10得点、6リバウンド、コビー・ホワイトと並んでゲームハイの+16を残した。

 特筆すべきはシュート成功率の高さで、3ポイントは2本中2本成功、フリースローも2/2、4本打ったフィールドゴールのうち落としたのは1本のみと的確なプレーで勝利を引き寄せる一端を担った。

「今の気持ちを言葉で表現するのは難しい。それは英語だからという意味じゃなくて、僕の母国語でもね(笑)。それほど、この瞬間を待ち焦がれていたから」
 
 試合後のインタビューで、本契約選手として初出場した感想を語ったビティム。

「とにかく、その時がいつ来てもいいように準備をしていた。チームメイトやコーチも、すごく助けになってくれた。いつかチャンスが来ることはわかっていたけれど、それがいつなのかはわからなかった。選手にできるのは、常にフィジカル的にもメンタル的にも準備万端にしておくこと。だからひたすらそれを続けていたんだ」

 ビティムは2WAY契約期間中も、NBAのコートに2度立っているが、いずれも5分以下の出場で無得点に終わっていた。そのため、このキャブズ戦が彼にとってNBAで初めてネットを揺らした試合となった。

「コートに立ってからは緊張しなかったよ。僕はバスケットボール選手で、これが自分のやることだからね。コートに立った時はワクワクして、信じられないような気持ちだったよ」

 試合後、両軍最多の35得点を叩き出したデマー・デローザンがビティムをハグで称えたが、エースがビティムにかけた言葉が、「俺はお前を誇りに思うぞ!」という熱いものだった。

「僕にとってこの言葉が意味することは大きいよ。彼の姿を見て育った僕にとって、彼は憧れの選手の1人だからね。そんな彼と一緒にコートに立って、一緒に勝利を手にすることができた。彼からの言葉は、信じられないくらい光栄なことだった」
 
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「チームのみんなもいつも励ましてくれた。こんなチームにいられて僕は本当にラッキーだ」