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NBA

問題児から更生し、メンフィスのヒーローへ……ザック・ランドルフが現役引退を発表

ダンクシュート編集部

2019.12.27

グリズリーズ移籍を機に問題児から更生したランドルフ。永久欠番にもなるなどメンフィスのヒーローに。(C)Getty Images

グリズリーズ移籍を機に問題児から更生したランドルフ。永久欠番にもなるなどメンフィスのヒーローに。(C)Getty Images

 2000年代中盤から10年代にかけて、リーグを代表するPFとして活躍したザック・ランドルフが、12月26日(日本時間27日、日付は以下同)に現役引退を発表した。

 01年ドラフトで1巡目19位指名を受けNBA入りしたランドルフは、これまでポートランド・トレイルブレイザーズ(01~07)、ニューヨーク・ニックス(07~08)、ロサンゼルス・クリッパーズ(08~09)、メンフィス・グリズリーズ(09~17)、サクラメント・キングス(17~19)に所属。17年のキャリアで1116試合に出場し、平均16.6点、9.1リバウンド、1.8アシストをマークした。ブレイザーズ時代の04年にMIPに輝いたほか、グリズリーズに在籍した10、13年にはオールスター出場、11年にはオールNBA3rdチームに選出されている。

 最後にコートに立ったのは、キングスに所属した一昨季の17-18シーズン。36歳ながら平均14.5点、6.7リバウンドと見事な成績を残していたものの、昨季は若手を優先起用するチーム方針により、1試合も出場しないまま2月に解雇されていた。

 その後所属先は見つからなかったが、今夏もトレーニングに励み、9月には「まだ引退はしない」と現役続行に意欲を見せていた。しかし獲得のオファーを出す球団は現われず、25日に行なわれた古巣クリッパーズとロサンゼルス・レイカーズのクリスマスゲームの観戦に訪れた際に、プロ生活にピリオドを打つ決断をしたことを関係者に明かしていたようだ。
 
 柔と剛を兼ね備えたポストプレーに加え、柔らかいシュートタッチと高精度のフックショットを武器に得点を量産したランドルフは、ブレイザーズ時代の07年にキャリアハイとなる平均23.6点をマーク。ただこの頃はセルフィッシュなスタイルで、ボールを手にしたら一切パスしないことから“ブラックホール”とも揶揄されていた。

 個人の実力は認められながらも、“わがままで勝てない選手”のレッテルが貼られていたランドルフだが、09年のグリズリーズ移籍を機にその評価が一変。チームプレーヤーとして生まれ変わり、加入2年目の10-11シーズンにチームを5年ぶりのプレーオフに導くと、1回戦で第1シードのサンアントニオ・スパーズを破る大番狂わせの主役を演じてみせる。以降グリズリーズは強豪の地位を確立し、その立役者となったランドルフはメンフィスのヒーローとして称えられるようになった。

 日本でもネットやSNS上で“ザック神”と崇められるなどカルト的な人気を誇ったランドルフは、次のステップとして自身が手掛ける音楽レーベルの発展に注力するとのこと。新たな世界でも、そのカリスマ性で人々を魅了してほしいところだ。

構成●ダンクシュート編集部
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