現地時間4月25日、NBAは2023-24シーズンの最優秀クラッチ選手賞にステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が選ばれたことを発表した。
カリー、デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)がファイナリストに名を連ねたなか、スポーツライターと放送関係者99名による投票でカリーが1位票45を含む298ポイントを獲得して、自身のキャリアに新たな勲章を加えた。
今季のカリーは直近7シーズンで最多の74試合に出場し、平均26.4点、4.5リバウンド、5.1アシストに3ポイント成功率40.8%(平均4.8本成功)を記録。3ポイント成功357本はリーグトップかつ自身2番目に多い本数だった。
試合時間残り5分で5点差以内を指すクラッチシチュエーションでは、リーグ最多の189得点を奪ったのに加え、フィールドゴール成功59本、3ポイント成功32本もリーグトップ。フィールドゴール成功率49.6%、3ポイント成功率45.7%、フリースロー成功率95.1%と、エースとして勝負所で真価を発揮した。
今季のウォリアーズはドレイモンド・グリーンの2度にわたる出場停止処分、クリス・ポールのケガ、クレイ・トンプソンとアンドリュー・ウィギンズの不安定なパフォーマンスなどにより、浮き沈みの激しいシーズンだった。
それでもレギュラーシーズン最後の12戦を10勝2敗で乗り切り、ウエスタン・カンファレンス10位の46勝36敗(勝率56.1%)でフィニッシュ。だが同じ勝率で9位となったサクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームを94-118で落とし、3シーズンぶりにプレーオフ進出を逃した。
その過程で、チームはクラッチシチュエーションでリーグ最多の48試合を戦い、24勝24敗を記録。なかでもカリーが出場した43試合では23勝20敗と勝ち越したことは評価するべきだろう。
「失敗と向き合っていかなきゃいけない。ショットを落としても構わないという気持ちでいなきゃいけない。そしてすぐに忘れることだね。試合のために、自分がどれだけ多くの時間を費やしてきたか、それをわかっているからこそ、自信を手にすることができるんだ」
クラッチシチュエーションについてそう口にしたカリーは、こうも話していた。
「誰もがハイライトやそれに近いシーンを記憶している。でもその裏にはいくつも落としてきたショットがある。『入れるべきだったけど、あのショットは悪くなかった。じゃあ次に移ろうか』というように、ちょっとした記憶喪失を作り出さなきゃいけない。カムバックするための唯一の方法はそうした自信なんだ」
今季のカリーはクラッチシチュエーションにおける3ポイント成功数でNBA史上最多記録を更新した。だが、"史上最高のシューター"でもすべてのショットを決めることはできない。70本のうち38本をミスしたように、失敗を重ね、それを忘れた上で、次のビッグショットが生まれるのだ。
昨季から新設されたこのアウォードは、クラッチシチュエーションでチームのために最も貢献した選手を称えるものであり、今季のカリーはその姿勢を十分に体現していたのではないだろうか。
文●秋山裕之(フリーライター)
【PHOTO】ダンクシュート編集部が厳選!NBA史に燦然と輝くレジェンドスターたちを特集!!
カリー、デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)がファイナリストに名を連ねたなか、スポーツライターと放送関係者99名による投票でカリーが1位票45を含む298ポイントを獲得して、自身のキャリアに新たな勲章を加えた。
今季のカリーは直近7シーズンで最多の74試合に出場し、平均26.4点、4.5リバウンド、5.1アシストに3ポイント成功率40.8%(平均4.8本成功)を記録。3ポイント成功357本はリーグトップかつ自身2番目に多い本数だった。
試合時間残り5分で5点差以内を指すクラッチシチュエーションでは、リーグ最多の189得点を奪ったのに加え、フィールドゴール成功59本、3ポイント成功32本もリーグトップ。フィールドゴール成功率49.6%、3ポイント成功率45.7%、フリースロー成功率95.1%と、エースとして勝負所で真価を発揮した。
今季のウォリアーズはドレイモンド・グリーンの2度にわたる出場停止処分、クリス・ポールのケガ、クレイ・トンプソンとアンドリュー・ウィギンズの不安定なパフォーマンスなどにより、浮き沈みの激しいシーズンだった。
それでもレギュラーシーズン最後の12戦を10勝2敗で乗り切り、ウエスタン・カンファレンス10位の46勝36敗(勝率56.1%)でフィニッシュ。だが同じ勝率で9位となったサクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームを94-118で落とし、3シーズンぶりにプレーオフ進出を逃した。
その過程で、チームはクラッチシチュエーションでリーグ最多の48試合を戦い、24勝24敗を記録。なかでもカリーが出場した43試合では23勝20敗と勝ち越したことは評価するべきだろう。
「失敗と向き合っていかなきゃいけない。ショットを落としても構わないという気持ちでいなきゃいけない。そしてすぐに忘れることだね。試合のために、自分がどれだけ多くの時間を費やしてきたか、それをわかっているからこそ、自信を手にすることができるんだ」
クラッチシチュエーションについてそう口にしたカリーは、こうも話していた。
「誰もがハイライトやそれに近いシーンを記憶している。でもその裏にはいくつも落としてきたショットがある。『入れるべきだったけど、あのショットは悪くなかった。じゃあ次に移ろうか』というように、ちょっとした記憶喪失を作り出さなきゃいけない。カムバックするための唯一の方法はそうした自信なんだ」
今季のカリーはクラッチシチュエーションにおける3ポイント成功数でNBA史上最多記録を更新した。だが、"史上最高のシューター"でもすべてのショットを決めることはできない。70本のうち38本をミスしたように、失敗を重ね、それを忘れた上で、次のビッグショットが生まれるのだ。
昨季から新設されたこのアウォードは、クラッチシチュエーションでチームのために最も貢献した選手を称えるものであり、今季のカリーはその姿勢を十分に体現していたのではないだろうか。
文●秋山裕之(フリーライター)
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