ボストン・セルティックスは５月７日（日本時間８日、日付は以下同）に行なわれたクリーブランド・キャバリアーズとのカンファレンス準決勝の初戦に120－95で快勝した。

　幸先の良いスタートを切ったチームはジェイレン・ブラウンが32得点、６リバウンド、デリック・ホワイトが７本の３ポイントを含む25得点、５アシスト、ドリュー・ホリデーが14得点、６リバウンド、ペイトン・プリチャードが16得点を記録。

　エースのジェイソン・テイタムはチームトップの11リバウンド、３ブロックに５アシストをマークするも、フィールドゴール成功率36.8％（７／19）、３ポイントは５本すべて失敗し18得点にとどまった。

　26歳のエースは今年のプレーオフ６試合で平均21.2点をあげているが、フィールドゴール成功率40.6％、３ポイント成功率25.0％が示すように、シュートの調子は上がっていない。

　ただ、セルティックスのOBはテイタムを高く評価している、この日の試合前に行われた『NBC Sports Boston』の「Celtics Pregame Live」で、レジェンドのポール・ピアースは「俺にはテイタムから真の成長が見てとれるね。昨年、平均30点していた男は、今では勝つために30点する必要はないことを理解したのさ」と評していた。

　昨季テイタムはキャリアハイの平均30.1点を叩き出し、プレーオフでも20試合で同27.2点に10.5リバウンド、5.3アシスト、1.1スティール、1.1ブロックを残し、チームをNBAファイナルまであと一歩のところまで導いた。
  　得点面に関してはプレーオフに入ってブラウン（24.3点）、ホワイト（22.8点）次ぐチーム３位とやや大人しいが、リバウンド（10.5）とアシスト（5.3）はトップ。さらに、相手チームの厳しいマークに遭うなか平均ターンオーバー数でキャリア最少の1.7本に止めている点は評価すべきだろう。

　また、ピアースはテイタムの成長をこう表現していた。

「彼が成熟しているのが見ていてわかる。これまでよりも声を上げて、よりリーダーらしくなったと感じるんだ。今はまさに彼が活躍する時であって、そのプロセス、それにその瞬間で何をチームへ持ち込めばいいのかを把握している。

　彼ならチームが勝つために本当にステップアップすべきタイミングを心得ている。あのチームのために彼はやってくれるさ」

　キャブズとのシリーズは９日に第２戦が組まれており、球団史上18度目の王座を獲得するためには、今プレーオフであと11勝をあげる必要がある。

　現在セルティックスは第３の得点源であるクリスタプス・ポルジンギスをふくらはぎの負傷で欠いていることもあり、テイタムはチームのバランスを考慮して勝利を最優先にしたプレーをチョイスしているのかもしれない。

　ただ、相手チームにとって最も注意すべき選手がテイタムであることに変わりはない。相手が厳しいディフェンスを仕掛けてきても、難なくタフショットを決め切ることが可能な男は、得点面でも大爆発する試合が出てくるだろう。

文●秋山裕之（フリーライター）

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