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NBAドラフト外、2WAY契約→解雇の苦労人がユーロリーグでMVPに!マイク・ジェームズの波乱万丈キャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.05.17

NBAでは通算49試合の出場にとどまるジェームズだが、ユーロリーグで実績を積み重ね、今季は初のMVPに輝いた。(C)Getty Images

NBAでは通算49試合の出場にとどまるジェームズだが、ユーロリーグで実績を積み重ね、今季は初のMVPに輝いた。(C)Getty Images

 ユーロリーグの2023-24シーズンのMVPに、モナコのマイク・ジェームズが選出された。

 フランスの強豪チームを牽引するアメリカ人ガードは今季、レギュラーシーズン全34試合にプレーオフ5試合の計39試合にスターターとして出場し、リーグ2位の平均17.9点、5.1アシスト、自己最多の4.1リバウンドを記録。フェネルバフチェと対戦したプレーオフの第2戦を除く全試合で2桁得点をマークした。

 勝率で2位のパナシナイコスと並ぶ第3シードでレギュラーシーズンを終えたモナコにおいて、持ち前の得点力だけでなく、オールマイティーな活躍を披露したジェームズが立役者であったことは言うまでもない。

 それだけに、プレーオフでは平均13.0点にとどまり、最終戦を1点差で落としてファイナル4(準決勝)進出を逃したのは、彼にとっては悔やまれることだろうが、この試合でしのぎを削った対戦相手フェネルバフチェのエース、ニック・カレイテスは、「彼はアメージングなプレーヤーだ。もし今シーズン、ユーロリーグのMVPが彼に与えられなかったとしたら、僕はものすごくショックだし落胆するだろう。彼がこのチームのためにしてきたことは、それに値する」と熱いコメントを寄せていた。
 
 現在33歳のジェームズは、無指名に終わった2012年のNBAドラフトのあと、すぐに欧州へと渡り、クロアチアのKKザグレブを皮切りにヨーロッパでキャリアを築いてきた。

 ユーロリーグには、スペインのバスコニアに所属していた2014-15シーズンに初出場。翌年には、このバスク地方の雄を8年ぶりのファイナル4に導いている。

 今季はジェームズにとってちょうどユーロリーグ参戦10シーズン目にあたり、節目の年での受賞となったわけだが、平均19.8点で得点王となった18-19シーズンなど、これまでも何度か候補には挙がりつつも、受賞には及んでいなかった。

 しかし今季は、第28節のレッドスター戦でそれまでヴァシリス・スパノーリス(元オリンピアコスほか)が保持していたユーロリーグの得点記録(4455点)を更新し、歴代トップスコアラーに君臨するという快挙も成し遂げた。その後シーズン終了までに4623点まで記録を伸ばしている。
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