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NBA

巡り合わせの妙により、わずか2週間で天国と地獄を味わった“ヨーロッパ現役最高シューター”マイク・ジェームズの物語

小川由紀子

2020.08.02

ヨーロッパでスター選手となったジェームズだが、NBAでは不運が重なりチャンスを掴み損ねた。(C)Getty Images

ヨーロッパでスター選手となったジェームズだが、NBAでは不運が重なりチャンスを掴み損ねた。(C)Getty Images

 マイク・ジェームズと聞いて、NBAファンは「ああ、あのジャーニーマンの!」と思うかもしれない。トロント・ラプターズやマイアミ・ヒートをはじめ、12年間で11球団を渡り歩いたポイントガードだ。

 しかし、今回取り上げるのは彼ではない。現在のヨーロッパで最もホットなシューターであり、ユーロリーグ得点王に輝いた昨季に続いて今年も28節で中断するまで総得点数で首位に立っていた、CSKAモスクワに所属する方のマイク・ジェームズだ。

 両選手ともドラフトで指名漏れしたのち、海を渡り逆輸入の形でNBAデビューを果たしたという足跡は同じ。しかし、1975年生まれの前者がその後NBAで12シーズンのキャリアを築き、2003-04シーズンにはデトロイト・ピストンズで優勝を味わったのとは対照的に、1990年生まれである後者のリーグ在籍期間は、フルシーズンにも満たなかった。
 
 出身はポートランド。イースト・アリゾナ高からテキサスのラマー大に進学すると、当時からシューターとしての才覚を発揮し始めており、1試合52得点を叩き出したこともあった。彼が指名されずに終わった2012年ドラフトにおいて、全体1位指名を受けたアンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)擁するケンタッキー大との対戦でも、64-86で試合には敗れたものの、ゲームハイの29得点をマークしている。

 卒業後はクロアチアのザグレブでプロデビュー。以降もイスラエルやイタリアの下部リーグのクラブを転々としたが、2014年12月にスペインの名門バスコニアに入団してから、本格的に彼のキャリアが開き始める。パナシナイコスでプレーした2016-17シーズンには、年間を通じて最も印象的なプレーを披露した選手に贈られるMSP(Most Spectacular Player)も受賞。欧州ではすでにスタープレーヤーとして知られるようになっていた。

 2015年からは、毎年フェニックス・サンズのサマーキャンプにも参加。そして27歳を迎えた3度目の夏、ついに2WAY契約にこぎつける。ちょうどその制度がスタートした、2017年のことだった。
 

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