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国内バスケ

Bリーグ史上最大の下剋上!広島ドラゴンフライズが打ち立てた3つの“リーグ最少記録”<DUNKSHOOT>

萩原誠(ダンクシュート編集部)

2024.05.30

ワイルドカードから次々と上位チームを撃破した広島がBリーグ初制覇。創設10年目で見事に頂点に立った。(C)B.LEAGUE

ワイルドカードから次々と上位チームを撃破した広島がBリーグ初制覇。創設10年目で見事に頂点に立った。(C)B.LEAGUE

 Bリーグの2023-24シーズンは、広島ドラゴンフライズの初優勝という結果で幕を閉じた。合言葉の「下剋上じゃけぇ!」を見事に実現した形となったが、広島は今ポストシーズン、それを象徴する3つの“リーグ最少記録”を更新している。

 1つ目は、優勝チームにおけるレギュラーシーズンの勝利数。広島は今季、36勝24敗(勝率60.0%)を記録。西地区3位と、チャンピオンシップ(CS)にはワイルドカードでの出場となった。

 ワイルドカードからの優勝は、過去6大会のうち2019年のアルバルク東京、22年の宇都宮ブレックスと前例がないわけではないが、この2チームはいずれもハイレベルな東地区で40勝&勝率7割を超えていた(下記参照)。

 対する今季の広島は、1勝差の争いとなった混戦のワイルドカード枠を勝ち取り、下馬評も高くないなか臨んだCSで、中地区1位の三遠ネオフェニックスを撃破。準決勝でも西地区1位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズを破り、ファイナルでは昨季王者の琉球ゴールデンキングス相手に初戦黒星から2連勝で頂点に立った。この快進撃こそが、“史上最大の下剋上”と呼ばれる所以だ。また、もともとB2に所属していたチームとしての優勝も史上初だった。

■歴代Bリーグ王者&準優勝チーム
※カッコ内は、レギュラーシーズンの成績/チャンピオンシップの全体シード順位。
ファイナルは2017~19年は一戦決着、21年からは最大3戦の2勝先取制に。20年は新型コロナウイルス感染症の影響でチャンピオンシップは開催されず。

2017年:○栃木ブレックス(46勝14敗/2) ●川崎ブレイブサンダース(49勝11敗/1)

2018年:○アルバルク東京(44勝16敗/4) ●千葉ジェッツ(46勝14敗/2)

2019年:○アルバルク東京(44勝16敗/7) ●千葉ジェッツ(52勝8敗/1)

2021年:○千葉ジェッツ(43勝14敗/3) ●宇都宮ブレックス(49勝11敗/1)

2022年:○宇都宮ブレックス(40勝16敗/7) ●琉球ゴールデンキングス(49勝7敗/1)

2023年:○琉球ゴールデンキングス(48勝12敗/2) ●千葉ジェッツ(53勝7敗/1)

2024年:○広島ドラゴンフライズ(36勝24敗/7) ● 琉球ゴールデンキングス(41勝19敗/5)
 
 2つ目の最少記録は、ファイナルの試合における失点数。これは優勝後の会見でカイル・ミリングHCも言及していたが、ファイナル第3戦で広島は琉球を50得点に封じ込めた。これまでの失点記録は、2021年の宇都宮ブレックスで59点(ファイナル第2戦vs千葉)。なお、優勝決定ゲームでの得点数でも、広島は19年のアルバルクと21年の千葉ジェッツ(71点)を下回る65得点で頂点に立っている。

 最後の3つ目は、優勝チームが抱える日本代表選手の数。これは正式な記録というわけではないが、広島は現役の日本代表選手が1人もいない初の優勝チームとなった(アイザイア・マーフィーは2022年2月のW杯予選が最後、代表経験のある寺嶋良はケガで3月以降離脱)。

 過去を振り返れば、初代王者となった2017年のブレックスには前年のリオ五輪予選に出場した田臥勇太や竹内公輔、古川孝敏がおり、18、19年に連覇したアルバルクには田中大貴、竹内譲次、馬場雄大がいた。

 21年の千葉には富樫勇樹と前年に帰化したギャビン・エドワーズ、22年のブレックスには比江島慎、23年の琉球には今村佳太やコー・フリッピンなど、核となる日本人選手には必ず日本代表メンバーを擁していた。

 そのなかで広島は、CSで覚醒した山崎稜や23歳の有望株である中村拓人らの台頭により、チーム力を向上させながら頂点への道を駆け上がった。下馬評を覆しての栄冠は、同じような境遇にある多くの地方クラブにも希望を与えるものだったに違いない。

構成●ダンクシュート編集部

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