パリ五輪

ベルターンスがホーネッツから解雇も、本人はパリ五輪出場権獲得に全集中!「今そんなことに構っている時間なんてない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.07.07

ベルターンスは、パリ五輪の出場権獲得をかけて世界最終予選を戦っている最中にホーネッツから放出された。(C)Getty Images

 7月6日、NBAはFA(フリーエージェント)との契約解禁を迎え、多くのチームが新加入選手との契約や延長契約を発表した。

 シャーロット・ホーネッツは、NBA史上最大の6チームが絡んだ大型のサイン&トレードでダラス・マーベリックスからウイングのジョシュ・グリーン、デンバー・ナゲッツからガードのレジー・ジャクソン、さらには2029、30年のドラフト2巡目指名権を獲得。

 自軍のFAではマイルズ・ブリッジズと3年7500万ドル(約120億円)で再契約を結んだが、これによってロスター枠が超過。ダービス・ベルターンス、アレクセイ・ポクシェフスキー、ブライス・マクゴウェンズの3選手をウェイブ(保有権放棄)することになった。

 208㎝の長身ながら外のシュートを得意とするベルターンスは、今年2月8日のトレードでオクラホマシティ・サンダーからホーネッツへ移籍。加入後は28試合の出場で平均8.8点、1.8リバウンドに3ポイント成功率37.5%(平均2.4本成功)とまずまずの活躍を見せたが、契約を1年残して放出された。

 もっとも、現在ベルターンスはラトビア代表の主力としてパリ五輪出場権をかけて世界最終予選(OQT)を戦っている。チームはホームの利を生かし、6日に行なわれた準決勝でカメルーンを72-59で下して決勝進出を決めた。

 OQTでベルターンスはジョージア戦で9得点、1スティール、1ブロック、フィリピン戦で10得点、4リバウンド、2スティール、3ブロックを記録。そしてカメルーン戦では得意の3ポイントを4本決めて12得点、2リバウンド、1アシスト、1スティールをあげるなど、徐々に調子を上げている。
 
 日本時間8日の午前1時に行なわれるブラジルとの決勝に勝利すれば、ラトビアは1936年以来88年ぶりとなるオリンピック出場が決定。予選ラウンドではドイツ、フランス、日本と同じグループBに入ることになる。

 そんな矢先、チームからウェイブされたベルターンスは現在の心境を次のように語っていた。

「僕に言えるのは今そんなことに構っている時間なんてないということ。僕がフォーカスしているのはこのジャージーで戦っている舞台なんだ。このジャージーを着ていることが、今の僕にとってものすごく嬉しいことだからね」

 さらに31歳のシューターはブラジルとの決勝に向けてこう意気込でいた。

「僕らはボールを動かし、エナジーを持ち込んでプレーするという自分たちのバスケットボールをしていかないといけない。幸運なことに、僕らはホームでプレーしている。観客のみんながたくさんのエナジーを与えてくれる。(決戦まで)24時間を切って準備していくのは決して簡単ではないけど、それは仕方ないこと。僕らは自分たちの持ちうるすべてを持ち込まないといけない」

 運命の一戦を前に"無職"となってしまったベルターンスだが、今はNBAキャリアのことよりもラトビア代表での戦いに全集中しているようだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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