パリ五輪

念願のオリンピックデビューへ、「最高な気分」と胸を躍らせるカリー。不参加の過去大会は「自分にとって楽しいものじゃなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.07.25

36歳にしてオリンピック初出場を果たすカリー。豪華戦力を誇るアメリカ代表でどんな活躍を見せるか。(C)Getty Images

 現地時間7月24日、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーのインタビュー記事が米メディア『Andscape』へ公開された。

 カリーは今週末から幕を開けるパリオリンピックに、アメリカ代表の主力の一角として出場する。オリンピック出場は自身初だ。

 2021年夏の東京五輪でアメリカが大会4連覇を達成した直後、当時代表のアシスタントコーチを務めていたスティーブ・カー(現HC)は、カリーのパリ五輪出場の可能性について「彼は地球上でベストなシューターだ。今から3年後でも間違いなくオリンピックチームでプレーできるさ」と語ったと、NBAインサイダーのマーク・スタイン記者が報じていた。

 あれから3年。カリーは36歳になったものの、依然リーグトップレベルの力を維持し、昨季も74試合の出場で平均26.4点、4.5リバウンド、5.1アシストをマーク。代名詞の3ポイントはリーグ最多の357本を沈め、成功率40.8%(平均4.8本成功)を記録した。

 通算3ポイント成功数ではレギュラーシーズン(3747本)、プレーオフ(618本)、ファイナル(152本)とすべてのカテゴリーでNBA歴代トップに君臨するカリー。アメリカ代表としては2010年の世界選手権(現W杯)、14年のW杯に出場して2つの金メダルを獲得してきた。もっとも、10年はケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)、14年はカイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)が大会MVPに輝き、自身が中心として活躍したわけではなかった。

 その後は2015年と17年にも代表のトレーニングキャンプに参加したものの、オリンピックには縁がなく、パリ五輪で念願のデビューを飾る。
 
 カリーは今大会にも出場するデュラントやレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、コビー・ブライアント(元レイカーズ)らが名を連ねた2012年のロンドン五輪について、「当時、僕は選ばれなかった。それは必要とされるレベルに達していなかったから」と話している。

 続く2016年のリオ大会はウォリアーズの同僚のドレイモンド・グリーンとクレイ・トンプソン(現マーベリックス)が出場。グリーンは2021年にも参加して2大会連続で金メダルを手にしている。

 直近2大会ともにチームメイトが大舞台でプレーする姿を目にしてきたカリーは「自分にとって楽しいものじゃなかったね。ドレイモンドがプレーし、2回も勝ったんだ」と悔しさを明かしている。

「2016年の僕はファイナルを終えた直後だった。次のシーズンへ向けて準備するために休養が必要だとは感じていなかったけどね。2020年(開催は2021年)はCOVID(新型コロナウイルス)の時で、家族に関して何かあったかどうか覚えていないんだ」

 そして今回、満を持してオリンピック初出場を飾るカリーは「今年はスター選手が揃った。最高な気分さ。それに調子を上げるためのオフも取れた。もう言うことないね」と自信を漲らせる。

 アメリカは24日に『FIBA』に公開されたオリンピック出場国のパワーランキングで1位を堅持。エキシビションマッチでは苦戦する試合もあったとはいえ、5戦無敗で切り抜けている。

 金メダルの本命と目されるパリ五輪で、カリーがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。初戦は28日(日本時間29日00:15)、欧州の強豪セルビア戦だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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