パリ五輪

五輪5連覇へ邁進する米国代表デュラントが語る理想と現実「みんなは俺たちが30~40点の大差で勝つと期待しているかもしれないが…」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.08.02

前回の東京五輪はMVPに輝いたデュラント。今大会はシックスマンとしてチームUSAを支えている。(C)Getty Images

 今年3月、フェニックス・サンズのケビン・デュラントは、アメリカ代表として臨む自身4度目のオリンピックに向けてこう意気込みを語っていた。

「楽しみにしている。4つ目(の金メダル)がかかっているからね。そしたら俺は(アメリカ代表で)唯一の男になる。4つ目を獲りに行こうじゃないか。俺はこのチームの選手たちがどれほど支配的なのかを見せつけたいね。40~50点差をつけて勝ちたい」

 それから約3か月が経過した6月中旬。デュラントはふくらはぎの肉離れを起こしたことでチーム練習への参加が遅れ、エキシビションマッチも5戦全休。だが35歳のスーパースコアラーは、現地7月28日に開催されたグループC初戦のセルビアとの試合で強烈な復帰を飾る。

 ベンチスタートながら前半に5本の3ポイントをノーミスで沈めるなどフィールドゴール成功率100%(8/8)の21得点を奪取。試合を通じて計16分44秒のプレータイムで同成功率88.9%(8/9)、フリースロー成功率100%(2/2)でチームトップの23得点を叩き出してみせた。

 アメリカはグループ最大の難敵セルビアを110-84で下すと、8月1日の南スーダン戦も103-86で勝利。2連勝で予選ラウンドを突破し、決勝トーナメント進出を決めた。

 デュラントはこの日もベンチスタートで21分57秒プレー。2ポイントこそ3本すべて失敗に終わるも3ポイントは2本とも沈め、フリースローを成功率88.9%(8/9)の高確率で決めて14得点に2リバウンド、3アシスト、3スティールで勝利に貢献した。
 
「これは(アメリカ代表という)グループなんだ。俺たちはこの試合でもいくつかスパートしてみせたと思う。先発陣がゲームを作り、俺たちがランを決めた。(セカンドユニットの)俺たちがあの雰囲気を作り出したのさ。チームはお互いに上手くプレーできていると思う」とデュラントは手応えを語る。

 南スーダン戦、アメリカはステフィン・カリー、デビン・ブッカー、ジェイソン・テイタム、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスが先発。途中からはデュラントとドリュー・ホリデー、デリック・ホワイト、アンソニー・エドワーズ、バム・アデバヨのセカンドユニットが見事に機能し、7月20日の強化試合で101-100と苦戦した相手を一蹴した。

 3月にデュラントが口にしていた"40~50点差"の勝利こそできていないが、"現代版ドリームチーム"を揃えたアメリカは2試合を終えた時点の得失点差で大会トップの+43を記録している。

「みんなは俺たちが30~40点の大差で勝つと期待しているのかもしれない。けど俺たちは2試合に勝っているし、平均で何点差だっけ?20点くらいか?しかも手強いチーム相手にやっているんだ」とデュラントは自信を見せる。

 3日に予選ラウンド最終戦でプエルトリコと戦うアメリカ。大会5連覇を目指すNBA軍団は、早くも6日から幕を開ける決勝トーナメントを見据えていることだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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