バスケットボール史上最高の選手を指す“GOAT”（Greatest player Of All Time）を語る上で、マイケル・ジョーダン（元シカゴ・ブルズほか）は必ず名前が挙がるスーパースターだ。

　前人未到の得点王10度を筆頭に、５度のシーズンMVP、14度のオールスター選出、11度のオールNBAチーム＆９度のオールディフェンシブチーム入り、そしてファイナルMVP６度を誇る“神様”は、ブルズで1990年代に２度の３連覇を達成。攻守兼備のオールラウンダーとなってコートに立ち、数えきれないほどのクラッチショットを沈めてきた。

　超人的な身体能力を駆使した空中遊泳は美しく、跳躍後に相手をかわしてフィニッシュするダブルクラッチだけでなく、人間業とは思えないほどのトリプルクラッチで会場を沸かせるなど、現役時代に残してきた名場面は枚挙に暇がない。
  　ただ、現地時間1999年１月13日（日本時間14日、日付は以下同）に２度目の引退を表明後、ジョーダンは2001年９月25日にワシントン・ウィザーズで現役復帰。ウィザーズでプレーした２シーズンでは、覇権争いどころかプレーオフにも進出できなかったものの、レギュラーシーズン142試合で平均36.1分、21.2点、5.9リバウンド、4.4アシスト、1.5スティールを記録してきた。

　NBA史上有数の点取り屋カーメロ・アンソニー（元デンバー・ナゲッツほか）は、９月13日に公開されたポッドキャスト番組『7PM in Brooklyn』の最新エピソードで“ウィザーズ時代のジョーダン”をこう話していた。

「バスケットボールプレーヤーとして、彼のことはよく覚えている。あの時の彼は（ブルズ時代とは）全然違って見えた。かつてのMJ、宙を舞うMJじゃなかった。だけどゲームで彼はものすごく簡単そうにやっていた。

（ボールを）キャッチすると、ドリブルを２回して右へショットフェイクして得点。ラック（リム付近）へ行くと、１ドリブルからヘジテーションのプルアップジャンパーで加点していた。俺はあれを観て『彼は自分のスポットを見つけてプレーしているだけなのに、相手は何もできないじゃないか』って思ったね」