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河村勇輝と好連携を披露!グリズリーズのドラフト2巡目ルーキー、ジェイレン・ウェルズの叩き上げキャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.10.20

グリズリーズの新人ウェルズ。NCAAディビジョン2の無名大学からドラフト指名へと飛躍を遂げた。(C)Getty Images

 メンフィス・グリズリーズの河村勇輝が2WAY契約を締結し話題を集めているが、現地で彼とともに注目されているのが、同期入団のルーキー、ジェイレン・ウェルズだ。

 今年のドラフトでグリズリーズから全体39位指名を受け入団したスモールフォワードは、2003年生まれの21歳。カレッジを3年で終えてのドラフトエントリーだった。

 プレシーズンマッチ5戦を終えて、ウェルズは平均23.1分のプレータイムでチーム3位の14.4点、3.8リバウンドをマーク。単純に得点数だけを見れば、全体9位指名で入団した注目ルーキー、ザック・イディーの12.2点を上回っている。

 学生時代からウェルズが武器とするのはシューティングで、このプレシーズンでも3ポイントシュートは25本中12本成功の48.0%という高い成功率を叩き出している。

 そんなウェルズは、いわゆる遅咲きの選手だ。高校を出て入学したカレッジは、NCAAディビジョン2のソノマ州大学だった。ここで頭角を現わして、2年をプレーしたあとにディビジョン1のワシントン州大への転校を実現させた。

「大学1年生の時に(将来について)聞かれたら、今ごろはソノマで4年目に入る準備をしているところだと答えていたと思う」。そう入団後の会見の席で答えているくらいだから、自身にとってもこの飛躍は予想を上回るものであった。ちなみに、ソノマ州大からドラフト指名を受けたのは、ウェルズが初めてだ。
 
 2年時の練習試合で、ディビジョン1の強豪校相手にゲームハイの30得点をあげた瞬間、ウェルズの運命はひらけたと当時のコーチは語っている。2年前までディビジョン2の大学でプレーしていた選手がNBAのロスター入りするというのは、稀に見るサクセスストーリーだろう。

 カレッジ1年目は3ポイント成功率26.3%とそれほどではなかったが、夏に徹底的にシューティング練習に励んだことと、チームのロスターがより充実したことがプラス要素となって、2年目は平均22.4点に加え、3ポイント成功率は43.8%に大きく向上。ディビジョン1のスカウトのレーダーにかかる選手となったのだった。

 ワシントン州大のカイル・スミスHC(ヘッドコーチ)は、ワークアウトでウェルズを見た1週間後には、彼がプロになれると確信したとドラフト後のインタビューで語っている。なかでも強く惹かれたのは、試合終盤の局面でビッグショットを決められる才能だという。

「プレッシャーの中での彼のパフォーマンスは非常に有意義だった。プレッシャーがかかる状況下で、真価を発揮できる選手なんだ」

 12日のシカゴ・ブルズ戦でも、ウェルズは119-119と同点の山場で決勝の3ポイントシュートを沈め、勝利に貢献した。
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河村とは好連携を披露。愛されキャラの一面も