専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「なぜ全チームが同じ戦術なんだ?」現代NBAに苦言のシャックにコミッショナーが反論「批評家は『彼のゲームはダンクばかりだ』と言っていた」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.11.19

NBAの視聴率低下について語ったシャック(右)に、コミッショナーのシルバー(左)が反論した。(C)Getty Images

NBAの視聴率低下について語ったシャック(右)に、コミッショナーのシルバー(左)が反論した。(C)Getty Images

 近年のNBAはハイペース化とポジションレス化が進み、1990年代のようなセンター全盛の時代ではなくなった。世界最高峰のリーグであることに変わりはないが、テレビ視聴率低下について語った元選手のシャキール・オニール(シャック)に、アダム・シルバー・コミッショナーが反論している。

 NBAは2001-02シーズンから、よりアップテンポで攻撃的な試合展開にする目的で、ゾーンディフェンスの解禁とディフェンス3秒ルールを導入、攻撃側がボールをフロントコートへ運ぶ時間も10秒から8秒へ縮められた。さらに、04-05シーズンにはハンドチェック・ルールが廃止。ディフェンダーが手や腕で攻撃側に接触するとファウルを取られるようになり、これらの変化が現在のハイスコア化につながっている。

 天才シューターのステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、3ポイント全盛のトレンドを作り出した人物であり、「バスケットボールそのものを変えた」とも言われる。3ポイントラインのはるか後方から放たれるディープスリーは今や珍しいものではなくなった。

 そんななか、シャックは自身がホストを務めるポッドキャスト『The Big Podcast with Shaq』で、「今シーズンのNBAのテレビ視聴率が低下している」と指摘し、その要因を次のように語った。
 
「(試合で)同じものを見ているからだ。みんな3ポイントラインよりも手前からドリブルをしてシュートを放つプレーをしている。ステフィン・カリーと彼ら(ウォリアーズ)が台無しにしたんだ。以前のゴールデンステイトが3ポイントを打つのは構わないけど、どのチームにも3ポイントシューターがいるわけじゃない。それなのに、なぜ全チームが同じ戦術なんだ? それが試合をつまらなくしていると思う」

 現役時代にリーグ優勝4回を経験しているレジェンドの意見に、反論したのがコミッショナーのシルバー。ニューヨークシティで開催されたペイリー・インターナショナル・カウンシル・サミットのメディア対応で、「シャックのゲーム(プレー)には多様性があった。彼がそんなことを言うなんて信じられない」と前置きした上で、持論を展開している。

「彼(シャック)の意見は尊重する。時には30フィート(約9.1m)のジャンプショットよりも、12フィート(約3.7m)のジャンプショットの方が評価されることもある。彼がプレーしていた時は正反対だった。批評家は、『彼のゲームにはバリエーションがない。ダンクばかりだ』と言っていた。

 人々は高いスキルを持つシューターがすべてだと言う。我々はかつて、3ポイントシュートをより難しくするために、ラインを少しうしろにずらしたことがある。その可能性があるとは言ってないが、またそうすることもできる。

 3社(NBC、ESPN、Amazon)と11年間のテレビ放映権契約を結ぼうとしている今季は、一歩引いてゲームを研究することができるいい機会だ。今のリーグは、かつてないほど人気がある。我々ができることはない、とは言っていない。彼(シャック)が言っていることには意味がある。すべてのチームが同じオフェンスをするのを見たいとは誰も思わないだろう」

 試合方式の変更が囁かれるオールスターゲームを含め、NBAが新たなフェーズに向かおうとしているのは間違いないだろう。

構成●ダンクシュート編集部

「俺は8回優勝しているべきだった」御大シャックがレブロンと共闘したキャブズ時代を回想「そういう機会を台無しにしてしまった」<DUNKSHOOT>

シャックがフットボールからバスケットへ切り替えたきっかけを明かす「コンカックを観て『俺ならできる』と思ったのさ」<DUNKSHOOT>

「彼はファウルされたことすら気付いていなかったんだ!」元選手のマイク・ミラーがシャックの全盛期を回想<DUNKSHOOT
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号