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「なんで変えるんだ?」オールスターの新フォーマットにスター選手が困惑「絶対に嫌だ。イースト対ウエストに戻すべき」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.12.18

オールスターの新フォーマットについて、リラード(左)とデュラント(右)の反応は……。(C)Getty Images

 現地時間12月17日(日本時間18日、日付は以下同)、ラスベガスのTモバイル・アリーナで行なわれたミルウォーキー・バックスとオクラホマシティ・サンダーによる「エミレーツNBAカップ2024」の決勝戦は、バックスが97-81で勝利し、新王者に輝いた。

 また、NBAは同日に2025年2月16日にゴールデンステイト・ウォリアーズの本拠地、チェイス・センターで開催される「NBAオールスターゲーム2025」の新フォーマットを発表。今回は4チームが競い合うミニトーナメント制が採用された。

 これは、東西の両カンファレンスから選ばれた計24名のオールスター選手たちを、NBA放送でお馴染みのレジェンドのシャキール・オニール、チャールズ・バークレー、ケニー・スミスがドラフト指名して8名ずつの計3チームを形成。ここにオールスター初日に行なわれる、NBA1、2年目の若手とGリーグ選手による「ライジングスターズ」の勝者が加わり、準決勝、決勝とそれぞれ40得点先取のピックアップゲームのようなフォーマットとなる。

 ただ、17日のメディア応対でこの案を知らされたフェニックス・サンズのケビン・デュラントは眉間にしわを寄せながら「俺は嫌いだね。絶対に嫌だ。酷いな…。イースト対ウエストの構図に戻すべきだ」とコメント。
 
 NBAオールスターゲームは2024年にイースト対ウエストという本来のフォーマットで開催。ドラフト制のオリジナルチームで対戦する方式から7年ぶりに"原点回帰"となったが、試合は3ポイントが飛び交い、ディフェンスが緩く競争力に欠ける展開になった。

 同大会で39得点、6アシストを残してMVPに輝き、3ポイントコンテストでは2連覇を飾ったバックスのデイミアン・リラードは、地元メディア『Milwaukee Journal-Sentinel』へこう口にしていた。

「この先どうなっていくのか見ていかないといけないね。何を企てているのかは理解している。日曜日(オールスターゲーム本戦)の試合でまた新たに競争を作り出したいんだろう。そうすることで、もっとエンターテインメント性を高める方法を見つけようとしているのさ」

 リラードはリーグの狙いを理解しつつも、毎年24名しか出場することができないオールスター本戦について複雑な思いも明かしていた。

「当然、俺は創造性を好んでいる。日曜日(本戦)にプレーできるのは特別なことなんだ。トッププレーヤーたちだからこそできる。(NBA選手なら)誰にでもあの経験ができるわけじゃない。なんで変えるんだ? と感じている自分もいる」
 
 早くも暗雲が立ち込めている2025年のオールスター。新フォーマットの採用で年に1度の"夢の祭典"は成功するのか注目される。

文●秋山裕之(フリーライター)

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