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NBA

ウェイドが高得点連発の近年のオールスターに見解「普段のゲームで行なわれているから、別のことは期待できない」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.02.28

2010年のオールスターでMVPに輝いたウェイド。高得点が連発している近年の大会は、自身が現役時代のそれとは「全く別物」だという。(C)Getty Images

2010年のオールスターでMVPに輝いたウェイド。高得点が連発している近年の大会は、自身が現役時代のそれとは「全く別物」だという。(C)Getty Images

 今年のNBAオールスターゲームはイーストが211-186でウエストを下し、史上初の200点超えゲームとなった。近年は“真剣勝負”から大きくかけ離れていることが疑問視されているが、レジェンドのドゥエイン・ウェイドはリーグ全体のスタイル傾向的に、変わるのは難しいとの見解を示している。

 2月18日(日本時間19日)にインディアナポリスのゲインブリッジ・フィールドハウスで開催されたオールスターゲームは、3ポイント11本を含む39得点をマークしたデイミアン・リラード(ミルウォーキー・バックス)がMVPに選出された。

 200点超えはオールスター初の出来事で、両チームの合計得点は前半(193点)、トータル(397点)ともに大会最多、イーストの3ポイント成功数42本は19年にチーム・レブロンがマークした35本を更新と記録づくしとなった。

 オールスターはスター選手たちが集う華やかな祭典である一方、近年はケガのリスクを回避するために激しいバトルは見られなくなり、緩いディフェンスへの厳しい声や、真剣勝負を望む声も上がっている。殿堂入り選手のスコッティ・ピッペンも「良いことよりも、損害の方が大きいことを考えると、リーグが検討すべきことかもしれない」と警鐘を鳴らしていた。

 現役時代にオールスターに13回出場し、10年大会では28得点、6リバウンド、11アシスト、5スティールでMVPに輝いたウェイドは、GBA国際スポーツビジネスサミットのためにマカオを訪れた際、香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』に対して、「我々はそれが起こっている時には何も感謝しない。なくなった時にのみ感謝するんだ。でも、世界は違う。目にしている素晴らしいことを楽しもう」と述べている。
 
「試合(オールスター)はアウトサイドショット中心の点取りゲームで、もうディフェンスは存在しない。(以前とは)全く別物だ。だから、オールスターゲームのために選手たちのマインドセットを変えろというのは無理な話だ。

 今は狭いスペースでシュートを打つこと、ハーフコートでの3ポイントを中心に成り立っている。これは普段のNBAのゲームで行なわれているから、別のことは期待できない。ルールが変わり、ゲーム自体も変わってしまったのだから、今の選手たちにとっては不公平だ」

 今年のオールスター・ウィークエンドでは、3ポイントコンテストの後に、ステフィン・カリーとWNBA選手のサブリナ・イオネスクによる3ポイント対決が実現。ウェイドはこの試みに関しては「これからバスケットボールをプレーする少年少女にとって、NBAという最大の舞台でこのような競争を見られるのは素晴らしいことだ」とポジティブな印象を受けたという。

 一方、MLBでは2003~16年にオールスターゲームの勝者によって、同年のワールドシリーズのホームフィールド(コート)アドバンテージが与えられていたが、それをNBAのオールスターに導入することについては慎重な姿勢を示した。

「ホームコート・アドバンテージを獲得するためにレギュラーシーズン82試合を戦っている選手たちがいるのに、それを奪うのかい? クレイジーに聞こえるが、実際にやってみないと(正しいかは)分からない。オールスターゲーム自体はもっと拮抗したものになるかもしれないが、負傷者が3、4人出てしまうかもしれない」

 様々な試行錯誤を続けているNBAのオールスターだが、今後どのような形に行き着くだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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