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NBA

“凡庸なNBA選手”から“欧州トッププレーヤー”へと変貌を遂げた男。次なる野望はトルコ代表での東京五輪出場

小川由紀子

2020.01.22

抜群の得点力を武器にエフェスで確固たる地位を確立しているラーキン。NBAからユーロリーグへの移籍が成功した代表格と言えるだろう。(C)Getty Images

抜群の得点力を武器にエフェスで確固たる地位を確立しているラーキン。NBAからユーロリーグへの移籍が成功した代表格と言えるだろう。(C)Getty Images

 欧州各国のトップクラブが参戦し、約半年にわたって頂点の座を競い合うユーロリーグ。ここでは欧州のトッププレーヤーはもちろん、のちのNBA入りを目指す若武者や、活躍の場を求めて海を渡ったかつてのスターたちがひしめき合っている。現在ユーロリーグでその名を轟かせる元NBAプレーヤーをシリーズで紹介しよう。

    ◆    ◆    ◆

 今季のレギュラーシーズン20試合を終え17勝3敗。2位のレアル・マドリーに2ゲーム差をつけて首位に立つトルコのアナドール・エフェスは、クラブ史上初の決勝進出を果たした昨季の快進撃がまぐれでなかったことを証明するかのように、今季も好調を維持している。

 その原動力となっているのが、身長182cmの小柄なアメリカ人ガード、シェーン・ラーキンだ。エフェスに入団して2年目の今季は、第11節のバイエルン・ミュンヘン戦でユーロリーグ歴代最高得点記録を更新する49点をマークすると、第18節から20節にかけて3試合連続でMVPを獲得。3節連続受賞はユーロリーグ史上初の快挙だった。
 
 イスタンブールを拠点とするエフェスは、トルコのスーパーリーグでも最多優勝回数を誇る名門だが、ここ数年は同じイスタンブールのフェネルバフチェの後塵を拝していた。しかしラーキンが加入した昨シーズン、10年ぶりに国内タイトルを奪回。フェネルバフチェと激突した4戦先勝のファイナルでは、3勝3敗で迎えた「WIN or DIE」の最終戦でラーキンが38得点をマーク。優勝に貢献しただけでなく、堂々のファイナルMVPに選出された。

 昨季のユーロリーグにおいても、エフェスは5シーズン連続でファイナル4に進出しているフェネルバフチェをセミファイナルで破る大金星を演じたが、この試合でラーキンは30得点、7リバウンド、7アシストと殊勲の働きを披露。選手の活躍を示す指標「パフォーマンス・インデックス・レーティング」で43というファイナル4歴代新記録を叩き出した。続くCSKAモスクワとのファイナルでも、ゲームハイの29得点と大奮闘。惜しくもタイトルには届かなかったものの、決勝での29得点、ファイナル4(準決勝+決勝)の合計得点(59)でともに歴代記録更新と、次々に記録を塗り替えてみせた。
 
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