チームに不利益となる行為を繰り返したという理由から、7試合の出場停止処分を科せられたマイアミ・ヒートのジミー・バトラー。6年目に突入したヒートでのキャリアも終焉を迎えることになりそうな気配だが、そんな彼のストイックさについて、かつてのチームメイトが明かしている。
今回証言したのは、2011年のドラフト同期であり、2014-15シーズンからの3年間、シカゴ・ブルズで共闘したニコラ・ミロティッチだ。
2019年夏に欧州に復帰し、昨季からイタリアのオリンピア・ミラノでプレーするスペイン人フォワードは、ポッドキャスト『SKWEEK Best in Class』のインタビューの中で、バトラーについて「おそらく自分が目にした中で最もハードワーカーな選手」と言及。と同時に、彼の独特ルーティンについても明かした。
「彼は自分のコーチと一緒に、朝の3時にトレーニングしたりするんだ。3時からウェイトトレーニングをしたり、5時にバスケットボールをプレーする。かと思えば、チームのトレーニングに来ても、靴を脱いで椅子に座って、俺たちの練習をただ眺めていたりもする」
当時新入りだったミロティッチが、「なぜジミーは一緒に練習しないんだ?」と周囲に尋ねると、「彼は自分のコーチとすでに練習したからいいんだ」という答えが返ってきたのだという。
その時は腑に落ちなかったミロティッチだったが、バトラーが試合では常に闘争心むき出しに戦う姿を見て、「自分たちと一緒に練習しようとそうでなかろうと、彼はどの試合でも全力で戦う偉大な選手」だと理解したと話している。
また、同番組の中でミロティッチは、「試合数が多く、次々にこなさければいけないNBAでは、レギュラーシーズンの1試合にかかるプレッシャーが欧州に比べて軽い」と語っている。そうしたなかでバトラーが毎試合、懸命に闘う姿勢は、彼の目には特別に映っていたようだ。
ちなみに、約50分にも及ぶこのロングインタビューでは、モンテネグロでの生い立ちからレアル・マドリーでのキャリア、NBAでの経験など、様々なトピックスについてふんだんに語っているが、その中で彼が明かしたNBAで特に苦労したことというのが、「トラッシュトーク」だった。
「これは本当に苦手だった。慣れるのに相当時間がかかった。真に受けてしまっていたんだ。練習でも試合でも、チームメイトがキツいことをバンバン言ってくるからね」
ところが、そんなチームメイトたちが、ひとたび練習が終わると、握手を求めてきたり、ハグし合っているのを見て、「おいおい、ついさっきまでファイトしてたよな!?」と拍子抜けしたのだそうだ。
「ここではショートメモリー(すぐに忘れること)が大事なんだって学んだよ。連敗しても、『シーズンは長い』とすぐ切り替える。欧州では、連敗が3試合続こうものなら会長がやってきて一大事だった。だからそうしたことも自分にとっては新鮮な経験だったね」
2019年に欧州に戻ったのは、「チームに2、3人の主力がいて、それ以外の選手は彼らを生かすためにプレーするのがNBA。でもそうじゃなく、自分の力を供給することでチームの勝利に貢献できる、そんな場所でプレーがしたかった」からだという。
「自分がチームの勝利を助けられる場所に身を置きたい」と訴えているバトラーの言葉からも、似たような心情が伺える。ミロティッチも感銘を受けたという全身全霊で戦う姿をバトラーが披露できる新天地は、どこになるのだろうか。
文●小川由紀子
今回証言したのは、2011年のドラフト同期であり、2014-15シーズンからの3年間、シカゴ・ブルズで共闘したニコラ・ミロティッチだ。
2019年夏に欧州に復帰し、昨季からイタリアのオリンピア・ミラノでプレーするスペイン人フォワードは、ポッドキャスト『SKWEEK Best in Class』のインタビューの中で、バトラーについて「おそらく自分が目にした中で最もハードワーカーな選手」と言及。と同時に、彼の独特ルーティンについても明かした。
「彼は自分のコーチと一緒に、朝の3時にトレーニングしたりするんだ。3時からウェイトトレーニングをしたり、5時にバスケットボールをプレーする。かと思えば、チームのトレーニングに来ても、靴を脱いで椅子に座って、俺たちの練習をただ眺めていたりもする」
当時新入りだったミロティッチが、「なぜジミーは一緒に練習しないんだ?」と周囲に尋ねると、「彼は自分のコーチとすでに練習したからいいんだ」という答えが返ってきたのだという。
その時は腑に落ちなかったミロティッチだったが、バトラーが試合では常に闘争心むき出しに戦う姿を見て、「自分たちと一緒に練習しようとそうでなかろうと、彼はどの試合でも全力で戦う偉大な選手」だと理解したと話している。
また、同番組の中でミロティッチは、「試合数が多く、次々にこなさければいけないNBAでは、レギュラーシーズンの1試合にかかるプレッシャーが欧州に比べて軽い」と語っている。そうしたなかでバトラーが毎試合、懸命に闘う姿勢は、彼の目には特別に映っていたようだ。
ちなみに、約50分にも及ぶこのロングインタビューでは、モンテネグロでの生い立ちからレアル・マドリーでのキャリア、NBAでの経験など、様々なトピックスについてふんだんに語っているが、その中で彼が明かしたNBAで特に苦労したことというのが、「トラッシュトーク」だった。
「これは本当に苦手だった。慣れるのに相当時間がかかった。真に受けてしまっていたんだ。練習でも試合でも、チームメイトがキツいことをバンバン言ってくるからね」
ところが、そんなチームメイトたちが、ひとたび練習が終わると、握手を求めてきたり、ハグし合っているのを見て、「おいおい、ついさっきまでファイトしてたよな!?」と拍子抜けしたのだそうだ。
「ここではショートメモリー(すぐに忘れること)が大事なんだって学んだよ。連敗しても、『シーズンは長い』とすぐ切り替える。欧州では、連敗が3試合続こうものなら会長がやってきて一大事だった。だからそうしたことも自分にとっては新鮮な経験だったね」
2019年に欧州に戻ったのは、「チームに2、3人の主力がいて、それ以外の選手は彼らを生かすためにプレーするのがNBA。でもそうじゃなく、自分の力を供給することでチームの勝利に貢献できる、そんな場所でプレーがしたかった」からだという。
「自分がチームの勝利を助けられる場所に身を置きたい」と訴えているバトラーの言葉からも、似たような心情が伺える。ミロティッチも感銘を受けたという全身全霊で戦う姿をバトラーが披露できる新天地は、どこになるのだろうか。
文●小川由紀子
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