今季、マイアミ・ヒートで6年目のシーズンを過ごしているジミー・バトラーは、1月3日にチームから7試合の出場停止処分を科された。パット・ライリー球団社長への批判の声も上がっているが、フランチャイズOBである元NBA選手のティム・ハーダウェイはかつての恩師を擁護している。
2011年のドラフト全体30位指名でNBA入りしたバトラーは、シカゴ・ブルズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズを経て、2019年からヒートでプレー。これまでチームを2度のNBAファイナルに導いたが、20年はレブロン・ジェームズ&アンソニー・デイビスを擁するロサンゼルス・レイカーズ、23年は万能センターのニコラ・ヨキッチ率いるデンバー・ナゲッツに屈した。
ヒートとバトラーの間では昨年から延長契約交渉が続けられてきたが、結局まとまらず、トレードの噂が過熱していた。そんななか、昨年12月26日にライリー球団社長が「我々は通常、噂についてはコメントしないが、こうした憶測はチームにとって妨げとなり、選手やコーチ陣に対して不公平であると考えている。そのためはっきりと言っておく。我々はジミー・バトラーをトレードしない」と明言した。
ところがバトラーは1月2日に「プレーする喜びを取り戻したい。支配的な選手に戻りたいし、バスケットボールをプレーしたい」とトレード要求を示唆するようなコメントをすると、ヒートは翌3日に「チームに損害を与える行為を複数回行なった」として、7試合の出場停止処分を発表。「彼の行動と発言は、もうこのチームの一員でありたくないことを示している。ジミー・バトラーと彼の代理人はトレードを希望している。我々はオファーに耳を傾けるつもりだ」と、トレードに応じる可能性を示した。
ヒートにおいてライリー球団社長の影響力が大きいのは周知の事実だが、バトラーに対する処遇を巡ってはライリーへの厳しい声も少なくない。
しかし、1996年から2001年にかけてライリーがヒートのHC(ヘッドコーチ)を務めていた時代の主力だった元NBA選手のハーダウェイは『SiriusXM NBA Radio』で、「権威を軽んじてはいけない」と"反乱分子"となっているバトラーに対して警鐘を鳴らした。
「ジミー・バトラーはそれをやっている。パット・ライリーがいる限り、この船(ヒート)は海上を航海する。バトラーは船を沈めようとしている。だが、あの船が沈むことはない。私はパット・ライリーの味方だ」
ライリー球団社長をよく知るハーダウェイは、今回の対応は綿密に準備されていたものだと見ているという。
「来シーズンは5200万ドル(約82億円)のオプトイン(オプション行使)が可能だが、彼はオプトインしないと言っている。でも、権威が『ノー』と言っている。彼らは(バトラーの)拒絶を受け入れることができない。それがすべてだ。契約しているんだから、試合に出てプレーしろ。私はパットを知っている。彼が選手会に(バトラーの出場停止に関する)10ページに及ぶ手紙を送ったことも知っている。7試合の出場停止処分を下したが、なぜバトラーを出場停止にしたかの理由を示すフィルムがあるはずだ」
バトラーがヒートとの関係を修復できるかはまだ分からないが、ライリー球団社長との対立の余波をどう乗り切るか、注目が集まることになりそうだ。
構成●ダンクシュート編集部
ヒートとバトラーはついに決裂か。元選手はライリー球団社長を痛烈批判「まるで最悪な刑務所のようだ!」<DUNKSHOOT>
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2011年のドラフト全体30位指名でNBA入りしたバトラーは、シカゴ・ブルズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズを経て、2019年からヒートでプレー。これまでチームを2度のNBAファイナルに導いたが、20年はレブロン・ジェームズ&アンソニー・デイビスを擁するロサンゼルス・レイカーズ、23年は万能センターのニコラ・ヨキッチ率いるデンバー・ナゲッツに屈した。
ヒートとバトラーの間では昨年から延長契約交渉が続けられてきたが、結局まとまらず、トレードの噂が過熱していた。そんななか、昨年12月26日にライリー球団社長が「我々は通常、噂についてはコメントしないが、こうした憶測はチームにとって妨げとなり、選手やコーチ陣に対して不公平であると考えている。そのためはっきりと言っておく。我々はジミー・バトラーをトレードしない」と明言した。
ところがバトラーは1月2日に「プレーする喜びを取り戻したい。支配的な選手に戻りたいし、バスケットボールをプレーしたい」とトレード要求を示唆するようなコメントをすると、ヒートは翌3日に「チームに損害を与える行為を複数回行なった」として、7試合の出場停止処分を発表。「彼の行動と発言は、もうこのチームの一員でありたくないことを示している。ジミー・バトラーと彼の代理人はトレードを希望している。我々はオファーに耳を傾けるつもりだ」と、トレードに応じる可能性を示した。
ヒートにおいてライリー球団社長の影響力が大きいのは周知の事実だが、バトラーに対する処遇を巡ってはライリーへの厳しい声も少なくない。
しかし、1996年から2001年にかけてライリーがヒートのHC(ヘッドコーチ)を務めていた時代の主力だった元NBA選手のハーダウェイは『SiriusXM NBA Radio』で、「権威を軽んじてはいけない」と"反乱分子"となっているバトラーに対して警鐘を鳴らした。
「ジミー・バトラーはそれをやっている。パット・ライリーがいる限り、この船(ヒート)は海上を航海する。バトラーは船を沈めようとしている。だが、あの船が沈むことはない。私はパット・ライリーの味方だ」
ライリー球団社長をよく知るハーダウェイは、今回の対応は綿密に準備されていたものだと見ているという。
「来シーズンは5200万ドル(約82億円)のオプトイン(オプション行使)が可能だが、彼はオプトインしないと言っている。でも、権威が『ノー』と言っている。彼らは(バトラーの)拒絶を受け入れることができない。それがすべてだ。契約しているんだから、試合に出てプレーしろ。私はパットを知っている。彼が選手会に(バトラーの出場停止に関する)10ページに及ぶ手紙を送ったことも知っている。7試合の出場停止処分を下したが、なぜバトラーを出場停止にしたかの理由を示すフィルムがあるはずだ」
バトラーがヒートとの関係を修復できるかはまだ分からないが、ライリー球団社長との対立の余波をどう乗り切るか、注目が集まることになりそうだ。
構成●ダンクシュート編集部
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