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世紀のトレードにドンチッチの地元ヨーロッパの反応は?父親は「あまりに不当」とマブズに怒り心頭<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.02.06

突如のトレードにドンチッチの父親(左)は怒り心頭。マブズへの不満を語った。(C)Getty Images

 世界中を震撼させたダラス・マーベリックスとロサンゼルス・レイカーズによる世紀のトレードは、その主役となったルカ・ドンチッチの地元ヨーロッパでも大きな話題になっている。

 母国スロベニアの日刊紙『Delo』は"ショッキング"という見出しでこの一報を報じ、ドンチッチがNBA入り前の数年間を過ごしたスペインのスポーツ紙『Marca』の電子版のニュースには、400件ものコメントが寄せられた。

 その多くが、「長期的に見て、得をするのはレイカーズ。ドンチッチのためにも良かった」という意見だが、「もうダラスへの興味は失った。これからはレイカーズに注目する」といった書き込みも多く見られる。

 ほかに目立つのは、25歳と将来性のあるフランチャイズプレーヤーを手放したダラスの真意を知りたい、というもの。これだけドラスティックな決断をしたからには、表に出ていない、例えば「ドンチッチに重篤な病気といった事情があるのでは?」と勘ぐる声もあった。

 マーベリックスの真意については、フランスの『RMCスポーツ』でコメンテーターを務める元選手のステファン・ブランが自身の番組内で、球団の関係者から得た情報を明かしている。
 
「これが"青天の霹靂"ではないことは確かだ。かつて筆頭株主だったマーク・キューバンは、ドンチッチがレアル・マドリーでプレーしていた頃から彼の大ファンだった。しかし現在の筆頭株主(パトリック・デュモント)は、ドンチッチのリーダーシップに満足していない様子だった。

 トレーニングの態度も問題視しており、今シーズンはケガで22試合しかプレーしていない。自分の身体をきちんとケアしないプロフェッショナリズムに欠ける選手に、向こう5年間で3億4500万ドルを払うべきかという疑念が生じたんだ」

 ドンチッチの身体のケアに関しては、昨プレーオフでNBAファイナル進出を決めた試合後、父親と談笑しながら飲んでいた缶ビールを、マブズOBで現在は球団副社長のマイケル・フィンリーに取り上げられる様子が話題に。その時の動画が現在バズり中で、"ぽっちゃり体型"だったドンチッチのルーズな体調管理を裏付けるような報道も出回っている。

 しかし父親のサシャは、地元のテレビ局『ARENA SPORT』に、「それは球団が自分たちのしたことを正当化するための言い訳」だと反論している。

「彼らはルカの体調管理が万全でなかったと言った。しかしもし彼がこれまでそうした準備不足の状態でプレーしていたのだとしたら、万全の状態ならいったい彼はどんなプレーをするんだ。平均60得点、30アシスト、22リバウンドといった数字を叩き出すことか?

 そうした指摘は、彼らが自分たちのしたことを正当化しようとしているナンセンスな話に思える。バスケットボールについて知識があるはずの地位にある人物が、そのようなことを言うのは本当に理解に苦しむよ」
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レイカーズへの入団自体は歓迎