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オールスター初出場を飾ったヒーローがヒートの現在地を語る「今の僕たちはタイトルコンテンダーとは呼べない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.02.19

ヒート生え抜きのヒーローが現在のチームについて語った。(C)Getty Images

 マイアミ・ヒートのタイラー・ヒーローは、現地時間2月15日(日本時間16日、日付は以下同)のNBAオールスターサタデーイベントの3ポイントコンテストで優勝を飾り、翌16日のオールスターゲームではケニー・スミスがGM(ゼネラルマネージャー)を務める「Young Stars」で先発を務め、6得点をマークした。

 キャリア6年目の今季、ヒーローは51試合の出場で平均23.9点、5.5リバウンド、5.5アシストに3ポイント成功率38.0%(平均3.7本成功)と、自己最高のシーズンを送っている。

 もっとも、ヒートはイースタン・カンファレンス9位の25勝28敗(勝率47.2%)で前半戦を終了。21日のトロント・ラプターズ戦から幕を開ける後半戦で、少しでも順位を上げて6シーズン連続のプレーオフ出場を飾りたいところだ。

 そうした中、ヒーローが18日に『SiriusXM NBA Radio』へゲスト出演。ヒートの牽引役はチームの現状をこう話していた。

「チャンピオンシップを勝ち獲ることがどれほど大変で難しいことなのか、みんな理解していないと思う。すべてのことが揃っていないといけないんだ。ジミー(バトラー/現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がいた時、僕らは王座を獲得すべくトライすると言って開幕を迎えた。けど今の状況を正直に言うと、僕らはタイトルコンテンダーとは呼べないと思う」
 
 今季のヒートはヒーローのほか、バム・アデバヨ、テリー・ロジアー、ニコラ・ヨビッチ、ハイメ・ハケスJr.、ダンカン・ロビンソンらが在籍しているが、前半戦はバトラーの相次ぐ離脱(出場停止)もあって連勝と連敗を繰り返していた。

 そこでフロントは2月6日の移籍期限最終日に5チームが絡んだ大型トレードを断行。チームの不満分子と化していたバトラーを放出し、アンドリュー・ウィギンズ、デイビオン・ミッチェル、カイル・アンダーソンを獲得した。

 イースト9位とはいえ、7位のオーランド・マジック(27勝29敗/勝率48.2%)とわずか0.5ゲーム差。プレーオフへ自動的に出場できる6位のデトロイト・ピストンズ(29勝26敗/勝率52.7%)とも3.0ゲーム差と、シーズン後半戦での逆転は十分可能だ。

 チーム生え抜きのヒーローは、若手と新加入選手たちの働きに期待を寄せていた。

「僕らはチーム一丸になろうとしているところなんだ。それにたくさんの若手が僕らの勝利を助けてくれると見ている。このチームにはケレル・ウェアやニコラ・ヨビッチ、ハケスJr.がいる。僕らは新しく加わった選手たちとプレーしていくことで、多くの若手が新たな役割を掴もうとしているんだ」

 レギュラーシーズンは残り約2か月。エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)の下、若手が順調に成長し、ウィギンズらが戦術にフィットしケミストリーが生まれれば、ヒートは上位陣にとっても無視できない存在になるはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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