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オールスター後に目覚ましい成績を残したアブディヤ「ジムで一生懸命練習していた。いつかそれが実を結ぶと思っていたんだ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.04.15

アブディヤはオールスター後の20試合で平均23.3点、9.7リバウンド、5.2アシストと躍動した。(C)Getty Images

 今季のポートランド・トレイルブレイザーズは、アンファニー・サイモンズがチームトップの平均19.3点に2.7リバウンド、4.8アシスト、シェイドン・シャープが同2位の平均18.5点に4.5リバウンド、2.8アシストを残すなど、計7選手が平均2桁得点をあげ、過去4シーズンでは最高の36勝46敗(勝率43.9%)という成績を残した。

 さらに昨夏のトレードでワシントン・ウィザーズから加入したデニ・アブディヤは、キャリア5年目でキャリアハイの平均16.9点、7.3リバウンド、3.9アシスト、1.0スティールと躍動。

 特にオールスターブレイク後は平均23.3点、9.7リバウンド、5.2アシストにフィールドゴール成功率50.8%、3ポイント成功率41.7%(平均2.4本成功)、2試合でトリプルダブル達成と、リーグ有数のオールラウンダーと化して攻守両面でチームを引っ張った

 イスラエル出身の24歳はシーズン終了時のインタビューで、後半戦から調子を上げた要因についてチームに馴染んだことを挙げていた。

「コート上でアジャストすることは難しいんだ。それにコート外ではケミストリーを築くことが大事になってくる。コートでどんなことをしたいのか、自分のゲームというものを(チームメイトに)知ってもらう必要がある。それを理解してもらうには時間がかかるから、僕はチームへフィットするのに時間を必要としていたんだ」
 
 もっとも、フォワードで申し分ないサイズ(206㎝・109㎏)を誇るスター候補は、シーズン前半戦も自信をなくしていたわけではなかった。

「とにかくハードにプレーして、将来のことは気にしないことだ。物事が起こる時には必ず理由がある。僕はジムで一生懸命練習していた。いつかそれが実を結ぶと思っていたんだ」

 さらに、アブディヤは同僚たちとコーチ陣への感謝も忘れなかった。

「自分でやれることをやっていく。ベンチへ下がると落ち込んでしまってもおかしくないし、怒ったり悲しんだりすることだってある。けど僕はその状況を最大限に活かそうとしてきたんだ。それに前にも言ったけど、コーチたちが僕を的確なポジションへと導いてくれたこと。あとはチームが本当に僕の役割を歓迎してくれたことだね」

 ブレイザーズのプレーイン進出は叶わなかったが、アブディヤにとって今季は、新天地で自身の地位を確立した充実の1年となった。

文●秋山裕之(フリーライター)

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