NBA

トレードの悲しみを乗り越え、レイカーズの一員としてプレーオフに臨むドンチッチ「僕らには間違いなくチャンスがある」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.04.19

突如のトレードに「エイプリルフールかと思った」とドンチッチ。古巣凱旋ゲームでは45得点を奪った。(C)Getty Images

 現地時間4月18日、NBAのプレーオフ開幕を翌日に控えたこの日、米スポーツ専門局『ESPN』のマリカ・アンドリューズ記者とルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)のインタビュー映像が公開された。

 ダラス・マーベリックスでNBAキャリアをスタートさせたドンチッチは、2019年の新人王獲得を皮切りに翌年からオールスターとオールNBA1stチームの常連に。昨季はマブズをウエスタン・カンファレンス王者へ導き、NBAファイナル進出を飾った。

 ところが今年2月1日の夜、ベッドについた矢先にレイカーズへのトレードを電話で知らされた。ドンチッチは感情をコントロールできずにスマートフォンをぶん投げたという。インタビューでマネージャーからそのスマホを渡されると「まだ使えるよ」と明かしていた。

「エイプリルフールなのかと思った」と思ったと同時に、このトレードで感じたことは「一番は悲しみだった。今でもショックを受けている。驚きという名のショックをね。正直な話、心が折れてしまったような気がした」
 
 マブズ側がレイカーズへドンチッチのトレードを提案し、バスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)のニコ・ハリソン、レイカーズのロブ・ペリンカGMが水面下で驚愕のトレードを進めて合意。

 ハリソンGMは「ディフェンスこそがチャンピオンシップを勝ち獲る」と、レイカーズからアンソニー・デイビスらを獲得。ドンチッチのコンディショニングを不安視し、ケガが相次いでいるのは減量に対する意識が欠けているからだ、といった報道も流れた。

 もっとも、ドンチッチ自身はトレード後にハリソンGMと口をきいていないようだ。

「彼が今話しているのを見るとただただ悲しいね。僕が彼のことを悪く言うことは一度もなかった。ただ前へと進みたいんだ。ダラスのファンやチームメイトたちのことはずっと大事にしていく。僕にとってはあそこから前へ進む時が来たということさ」

 4月9日にかつてのホーム、アメリカン・エアラインズ・センターで"対戦相手"としてマブズ戦に臨んだ時のこと。マブズが選手紹介時にトリビュートビデオを流すと、ドンチッチの眼には光るものが溢れてこぼれた。

 アンドリューズ記者から、マブズでずっとキャリアを過ごす意向だったのかと聞かれて「そりゃそうさ。簡単なことだ」と返答したことからも、ドンチッチがダラスの街、球団をどれだけ愛していたかが窺える。
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1回戦の相手ウルブズは昨年ドンチッチが大暴れした相手