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NBA

ご意見番バークレーが指揮官交代後のヨキッチの“変化”を語る「以前よりも情熱や感情をむき出しにするようになった」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.05.10

マローンHCの解任後、ヨキッチはリーダーとして一皮剥けた。(C)Getty Images

マローンHCの解任後、ヨキッチはリーダーとして一皮剥けた。(C)Getty Images

 今季のデンバー・ナゲッツは、2023年にチームを初優勝に導いたマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)を、レギュラーシーズン残り3試合の時点で解任する異例の人事を行なった。

 しかしその後はデイビッド・アデルマン暫定HCの下、残りの3試合に全勝。第4シードで挑んだプレーオフでは、1回戦でロサンゼルス・クリッパーズを4勝3敗で退け、カンファレンス・セミファイナルの初戦では、第1シードのオクラホマシティ・サンダーから、敵地で価値ある1勝を手にした。

 この試合では、118-119とナゲッツ1点ビハインドの場面でアーロン・ゴードンが3ポイントを沈めて劇的な逆転勝利。ゴードンは1回戦の第4戦でもブザーと同時に決勝ダンクを決めて勝利を引き寄せた。

 アデルマンはゴードンについて、「チームの魂」と描写し、「彼が、誰もが一生忘れることのないふたつの劇的な瞬間を見せてくれたことを本当に嬉しく思う」と喜びを語った。

 そして大黒柱のニコラ・ヨキッチは、サンダーとの初戦で42得点、22リバウンド、6アシストとモンスター級の数字を叩き出した。

 ただ、こうした数字だけでなく、彼が際立っているのは、指揮官交代後に見せているリーダーシップだ。
 
 これまでもプレー中に絶えずチームメイトに指示を出すなどフロアリーダーとしての役目は果たしていたが、マローンHCの退任後は、より感情をむき出しにして、チームを率いようとする姿が見られている。

 タイムアウト中も、彼がコーチ陣と同じ側に立って仲間たちに指示を送る姿をカメラがとらえている。

 また、クリッパーズとのシリーズ第4戦では、こんなシーンもあった。

 第3クォーター残り0.2秒、クリッパーズのベースラインからのスローインの場面で、ヨキッチはベンチに向けて、211㎝のディアンドレ・ジョーダンの投入を指示。193㎝のジャマール・マレーと交代させてより高さのある選手を並べることで、ゴール前に危険なパスを出させないようにすることが目的だった。

 セルビア代表でヨキッチは、ロッカールームで白板の前に立って仲間たちに戦術説明をする姿が見られていたが、ナゲッツでもそうした役割を担うようになっているという。

「彼はいつでもホワイトボードを手に取っては、仲間たちにポストスペーシングについて指示しているよ」

 代理HCに着任して間もない頃、アデルマンもそう明かしていたが、「彼はチームのベストプレーヤーだ。その彼がチームに指示を出してくれるのは私としても大歓迎だよ」と大黒柱の姿勢を歓迎している。
 
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