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NBA

「エア・ジョーダンを履いてはいけない」“神様”ジョーダンの好敵手、ミラーが仕掛けた挑発と意外な結末<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.05.09

1998年のイースト決勝、ブルズとペイサーズは7戦に及ぶ激闘を繰り広げたが、その裏でミラー(右)はジョーダン(左)に心理戦を仕掛けていたという。(C)Getty Images

1998年のイースト決勝、ブルズとペイサーズは7戦に及ぶ激闘を繰り広げたが、その裏でミラー(右)はジョーダン(左)に心理戦を仕掛けていたという。(C)Getty Images

 NBAで18年のキャリアを送った殿堂入り選手のレジー・ミラーは、3ポイントシューターとしてだけでなく、トラッシュトークの使い手としても名を馳せた。“神様”マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とも数々の名勝負を繰り広げたが、そのなかである“挑発”を仕掛けていたことを明かした。

 1987年のドラフト全体11位指名でNBA入りしたミラーは、18年間をインディアナ・ペイサーズ一筋でプレー。リーグ優勝こそ果たせなかったが、通算1389試合に出場して、歴代26位の通算2万5279得点、3ポイント成功数は引退時点で歴代1位、現在6位となる2560本、NBA75周年記念チームに選出され、2012年にバスケットボール殿堂入りも果たしている。

 そんなミラーと言えば、稀代の“トラッシュトーカー”としても知られ、ジョーダンやジョン・スタークス(元ニューヨーク・ニックスほか)と激しくやり合ったのは有名だ。そのミラーが、『SHOWTIME Basketball』の人気ポッドキャスト番組『All The Smoke』に出演した際、ブルズと激突した1998年のイースタン・カンファレンス決勝を振り返った。

 ジョーダンの全盛期だった当時は、ジョーダン本人以外は“暗黙の了解”でナイキのジョーダンブランドのシューズ『エア・ジョーダン』を履くことは許されていなかったとされる。しかし、当時ナイキと契約していたミラーはジョーダンを困らせるためだけに、その掟を破ったという。

「マイク(ジョーダン)がブルズにいた頃(1984~93年、95~98年)はエア・ジョーダンを履くことはできなかった。エア・ジョーダンを履いていたのはマイクだけだったと思う。彼にとっては癪に障るだろうと思って試みたんだ」
 
「彼は私に『ジョーダンブランドでプレーしてほしい』とは言わなかった。そんなことするはずがないし、絶対にしない」とも語ったミラー。98年はブルズが2度目の3連覇を狙っていた最後の優勝シーズン。リーグの絶対的な顔であったジョーダンを少しでも動揺させようと狙った上での決断だった。

「マイクはプライドが高すぎる。だから、彼がブルズにいた時に2~3回、彼をイラつかせるために試合中に(エア・ジョーダンを)履いたんだ。彼をからかってみたかった。後々聞いたよ。『エア・ジョーダンを履いてはいけない。プレーしていても、していなくても、ダメだ』とね。私は『OK』って感じだったけど、その試合でもやりたかったんだ。いつも履いているわけじゃないよ」

 その後、ミラーの元には、ジョーダンブランドの関係者から「ジョーダンブランドの一員にならないか」と電話がかかってきたという。ミラーはそのオファーを受け入れ、エア・ジョーダンを履く選手の1人としてキャリアを終えた。

 ライバルとして因縁の関係にあった当時は、まさかジョーダンブランドの一員になるとはミラー本人も思ってもいなかっただろう。

構成●ダンクシュート編集部

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