今年のドラフト指名順位を決めるドラフトロッタリーは、現地時間5月12日(日本時間13日、日付は以下同)にイリノイ州シカゴで行なわれた。そこで全体1位指名権を引き当てたのは、ウエスタン・カンファレンス10位の39勝43敗(勝率47.6%)に終わり、プレーイン・トーナメントの末にプレーオフ進出を逃したダラス・マーベリックスだった。
マブズが1位指名権を獲得できる確率はわずか1.8%だったものの、トップ指名権を手にしたことで、6月25日に開催されるドラフトではデューク大1年のクーパー・フラッグの指名が有力視されている。
現在、NBAのドラフトは60名(今年は59名)しか指名されない狭き門であり、その中でも上位指名選手にかかる周囲の期待やプレッシャーは相当なものとなっている。
そうした中、18日に公開されたスポーツリポーター兼クリエイティブプロデューサーのアシュリー・ネヴィルの番組に、レジェンドセンターのシャックことシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が出演。ドラフト時のコミッショナーと交わした会話を明かした。
「この話を聞いたことがあるかわからないが、俺は1992年6月のドラフト前の3月にデイビッド・スターンと会ったんだ。そこで彼が『やぁ、君がNBA入りするのが待ち切れないよ』と話しかけてきたんだ」
1992年6月24日にオレゴン州ポートランドで開催されたドラフトで、シャックはいの一番にオーランド・マジックから名前を呼ばれると、続いてシャーロット・ホーネッツが2位でアロンゾ・モーニング、ミネソタ・ティンバーウルブズが3位でクリスチャン・レイトナーを指名。
216㎝・147㎏のビッグマンはドラフト当時こそスリムだったとはいえ、リングを破壊してしまうほどの超人的なパワーの持ち主で、そのスター性もあってトップ指名が有力視されていた。
シャックはドラフトの3か月前、当時NBAコミッショナーを務めていたスターンに会った際、"特別待遇"を受けたことを番組内で明かしていた。
「彼は俺にだけ聞こえるくらいの大きさで『君は寒い場所と温かい場所、どっちでプレーしたい?』と聞いてきた。そこで俺は『温かいところ!』と返答した。すると彼も俺も笑みを浮かべた。そしてミネソタが3位、シャーロットが2位、そして(1位が)オーランドになった。フロリダが一番だったのさ。
俺はそのことについて考えてもいなかった。だが陰謀論がいくつもあると聞いたし、こうした状況が起こるのは知っている。今年で言えば、『ダラスはベストプレーヤーの1人(ルカ・ドンチッチ/現レイカーズ)を手放したが、新たなスターを獲得させよう』ってやつさ。俺だって陰謀論なんて言葉は使いたくないが、あれ(ドラフトロッタリー)がどうやって展開されたのかを考えるとすごく興味深いね」
ドラフトロッタリーは運とタイミングが明暗を分けるイベント。ただ、2019年のロッタリーシステム変更後は、その年にリーグ最下位に終わったチームは3年連続でトップ3指名権を逃し、いずれも5位指名となっている。
はたして、シャックが体験した"陰謀論"は真実なのか。NBAが世界最高峰のプロバスケットボールリーグであると同時に、極上のエンターテインメントを提供していることを考えると、その可能性はゼロとは言い切れないだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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