現地時間６月22日（日本時間23日、日付は以下同）、オクラホマシティ・サンダーとインディアナ・ペイサーズのNBAファイナル第７戦が行なわれ、ホームのサンダーが103－91で勝利。シリーズ通算４勝３敗で2024－25シーズンのチャンピオンに輝いた。

　今月５日にスタートしたNBAファイナルは、タイリース・ハリバートンの劇的ジャンパーでペイサーズが初戦をモノにすると、第３戦もホームで勝利し２勝１敗とリードを奪った。しかし、第４戦を接戦の末に落とすと、アウェーでの第５、７戦も敗れて優勝には届かなかった。

　ペイサーズにとって痛かったのはハリバートンの負傷だ。第５戦で右ふくらはぎを痛めた司令塔は、第６戦に強行出場して14得点、５アシスト、２スティールで勝利に貢献していた。

　第７戦では序盤に３本の３ポイントを決めてチームを牽引したが、第１クォーター残り4分55秒にドライブを仕掛けた際に負傷。コートに倒れ込み、悔しさのあまり何度もコートを叩いてロッカールームへ運ばれ、その後ゲームに戻ることはなかった。

　試合翌日、ペイサーズは右足のアキレス腱断裂と公表し、この日に手術を受ける予定と発表。これにより、ハリバートンは来季の大部分を欠場することが予想されている。

　チームを優勝に導くことはできなかったが、ハリバートンが今年のプレーオフで大きく株を上げたのは間違いない。前述のファイナルだけでなく、ミルウォーキー・バックスとの１回戦、クリーブランド・キャバリアーズとのカンファレンス・セミファイナル、ニューヨーク・ニックスとのカンファレンス・ファイナルと、すべてのシリーズでクラッチショットを決め、勝負強さを見せつけた。
  「彼は数々のドラマティックなプレーで、NBA史上でも屈指の劇的なプレーオフを作り上げた。これまで誰も見たことのないようなことを成し遂げたんだ。素晴らしい選手であり、常にチームのことを第一に考えている点も本当に立派だ」

　リック・カーライルHC（ヘッドコーチ）がそう話したとおり、コート内外で"チームファースト"を貫くハリバートンがいなければ、ペイサーズの快進撃は実現しなかった。

　23日に手術を終えたハリバートンはSNSに「今の僕はアキレス腱を断裂してしまったけど、後悔はしていない。同じ状況になってもまたそうするよ。この街とチームメイトたちのために戦っていく。特別なことを成し遂げるチャンスのためにね」と投稿していた。

　来季のペイサーズは大部分でエースガードを欠くことになるが、パスカル・シアカムやアンドリュー・ネムハード、アーロン・ネスミス、オビ・トッピン、ＴＪ・マッコネル、ベネディクト・マサリンらは健在。

　完全FA（フリーエージェント）になるマイルズ・ターナーとも再契約が見込まれているため、この２年間のプレーオフで培った経験を活かし、ハリバートンが復帰するまでの期間をチーム一丸で乗り切りたいところだ。

文●秋山裕之（フリーライター）

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