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「間違いじゃない。でも正解もない」カズンズがウォリアーズ時代の“贅沢過ぎる悩み”を告白「プレッシャーが凄すぎた」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.06.27

カズンズ(右)がカリー(左)、デュラント(中央)らスター選手と共闘したウォリアーズ時代を振り返った。(C)Getty Images

 デマーカス・カズンズはNBAでサクラメント・キングスやニューオリンズ・ペリカンズなど、計8チームに在籍。208cmのビッグマンはキャリア11年間で平均19.6点、10.2リバウンド、3.0アシストを残し、オールNBAチームに2回選出、オールスターには4回出場した。

 2018年オフ、フリーエージェントとなった当時27歳のカズンズは、2連覇中の王者ゴールデンステイト・ウォリアーズと契約。実力は申し分なかったが、前のシーズンにアキレス腱を断裂する大ケガを負っていた影響で、他球団から魅力的なオファーが届かなかった。そのため、自らウォリアーズのフロントや主力選手にコンタクトを取り、最終的に1年530万ドルの格安契約でチーム入りを果たした。

 加入1年目の2018-19シーズン、カズンズはケガの影響で30試合の出場にとどまったが、平均16.3点、8.2リバウンド、3.6アシスト、1.3スティール、1.5ブロックと存在感を発揮した。

 ウォリアーズでは、ケビン・デュラント、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンというスター選手と共闘。カズンズは、彼らとプレーするのは「簡単」である一方で、「誰にパスを出すか迷うほど難しい」とも感じたようだ。

 6月下旬、元NBA選手のテオ・ピンソンと友人のAJ・リチャードソンがホストを務めるポッドキャスト番組『Run Your Race』に出演したカズンズは、ウォリアーズでは「誰にパスすべきかわからなくなる場面が何度もあった」と告白。

「俺の仕事はマジで簡単だった。たとえばフリースローライン付近の真ん中でボールを持って、誰にパスを出すか考えてる時、KD(デュラント)、ステフ(カリー)、クレイ(トンプソン)が周りにいて、『正しい相手に出さなかったら怒られるかも』って悩むんだ。間違いじゃない。でも正解もない。誰かには渡らない。そのたびに『くそっ』って思ってた」
 
 さらにカズンズは「誰に(パスを)出せばいいかわからなくて、もうターンオーバーしそうだったよ。プレッシャーが凄すぎた」と笑いながら当時を回想した。

 また、こんなシーンもあったと振り返る。

「あるプレーを覚えてる。映像が残ってると思うんだけど、俺が中央でボールを持った時、3人とも3ポイントラインに開いてて、全員が『お前が打て』って指差し合ってたんだ」

 その年のウォリアーズは5年連続でファイナルに勝ち進んだが、シリーズ第5戦でデュラントがアキレス腱を断裂、第6戦ではトンプソンが前十字靭帯断裂。カズンズ自身も1回戦で大腿四頭筋を断裂と、主力に不運が重なり、トロント・ラプターズに2勝4敗で敗れて3連覇はならなかった。

 それでもカズンズは、この年のウォリアーズが歴代最強チームと肩を並べる実力を持っていたと確信している。

「もちろん、タレントに恵まれたチームはたくさんある。レイカーズの黄金期、コビー(ブライアント)&シャック(シャキール・オニール)のチーム、昔のマジック(ジョンソン)のチーム、(ボストン)セルティックスの全盛期とか。でも、俺たちのチームもその会話に入る資格があると思っている」

 プロ入りから数年間、キングスのエースとして孤軍奮闘していたカズンズ。自身初のプレーオフを経験したウォリアーズでの1年は、複数のスター選手と共闘したこともあり、特に印象深いシーズンとなったようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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