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日本代表

新戦力の台頭があった一方で、課題を残した“河村・富樫に次ぐPG”問題。改めて感じさせた攻撃の起点の重要性<DUNKSHOOT>

萩原誠(ダンクシュート編集部)

2025.07.07

若手中心の布陣で収穫もあった一方、今後への不安も覗かせたホーバス・ジャパン。(C)Getty Images

若手中心の布陣で収穫もあった一方、今後への不安も覗かせたホーバス・ジャパン。(C)Getty Images

 8月5日からサウジアラビアで開催される「FIBAアジアカップ2025」に向けて、強化を進めているバスケットボール男子日本代表。7月5日と6日には有明アリーナでオランダ代表との2連戦を戦い、多くの新戦力がトム・ホーバス体制でデビューを飾った。

 今回の2連戦では、アジアカップの出場辞退を表明している渡邊雄太(30歳)だけでなく、富樫勇樹(31歳)や比江島慎(34歳)といった常連組は参加せず、NBAサマーリーグに出場する河村勇輝(24歳)、富永啓生(24歳)、馬場雄大(29歳)もロスターから外れた。

 5日の第1戦は平均年齢24.0歳、6日の第2戦は同23.3歳とフレッシュな顔ぶれが揃ったなか、両日ともに新戦力の台頭が見られた。

 初戦は70-78で敗れたものの、NCAAシアトル大に所属する川島悠翔(20歳)がチーム最多の13リバウンドと存在感を発揮。第2戦は今オフに島根スサノオマジックに移籍したコンボガードの中村太地(28歳)が4本の3ポイントを含む最多16得点、代表デビューとなったサンロッカーズ渋谷の狩野富成(23歳)が10分間で4ブロックをマークし、74-53の勝利に貢献した。

 試合後にホーバスHCが収穫として挙げたこの3選手に加えて、昨年のパリ五輪でチーム最年少だったジェイコブス晶(21歳)は2試合合計でチームトップの29得点と、この1年間での成長を見せた。
 
 一方、2試合を通じて不安を感じさせたのが、河村・富樫が不在だったポイントガード(PG)の出来だ。

 ホーバスHCが採用する日本の攻撃スタイルは、“ファイブアウト”と呼ばれるコート上の5人全員が外から3ポイントを狙うものだが、パス回しなどの起点はPGで、彼らのピック&ロールやペイントアタックからすべてが始まる。

 この2試合ではいずれもパリ五輪代表のテーブス海(26歳)が先発PGを担い、初戦で7アシスト、2戦目は7得点、3アシストを記録したものの、2試合を通じて10ターンオーバーとミスが散見された。

 得意の守備でアピールしたジャン・ローレンス・ハーパージュニア(22歳)も、攻撃を組み立てる司令塔としてはまだ発展途上。ともに代表デビューとなったテーブス流河と湧川颯斗の21歳コンビも、安定感に欠け、持ち味を発揮できたとは言い難かった。

 いずれのPG陣も、相手のディフェンスの圧に押され、ボール運びやプレーメークに苦しむ場面が見られたが、それではスピードとパス回しを活かしたホーバス・ジャパンの長所は発揮されない。

 2023年のW杯や昨年のパリ五輪で日本が世界の強豪と対等に戦えたのは、ハンドリング面で絶対の安定感があり、その上でシュート・パス・ドリブルの選択肢から常に最善を選べた河村、富樫の存在があってこそだった。

 アジアカップはもちろん、今後に世界で戦うことを見据えた時、この2大PGと肩を並べる司令塔の台頭・育成が必須になるだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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