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NBA

レブロンは「歴代最高の選手になるためにプレーしている」。元同僚が明かす“キング”の凄み「あの野郎は火星まで行こうとしているのさ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.07.18

レブロンやジョーダンら、最高峰のレジェンドは意識の高さから別格。同僚たちも舌を巻いた。(C)Getty Images

レブロンやジョーダンら、最高峰のレジェンドは意識の高さから別格。同僚たちも舌を巻いた。(C)Getty Images

 NBAで17シーズンをプレーしたリチャード・ジェファーソン(元ニュージャージー・ネッツほか)は、2001年のドラフト1巡目13位でヒューストン・ロケッツから指名されてプロ入りすると、直後のトレードで入団したネッツで1年目からファイナル進出を果たした。

 ジェイソン・キッド、ケニョン・マーティンらとともに2002、03年にNBAファイナルの舞台を踏む上々のキャリア滑り出し。しかしあと一歩のところで頂点に届かず、その後移籍したサンアントニオ・スパーズでもティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリと共闘するも、優勝には至らなかった。

 そのジェファーソンが最初で最後のチャンピオンシップを獲得したのはキャリア15年目のこと。2015-16シーズンにクリーブランド・キャバリアーズでレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、カイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)らとともにリーグの頂点に立った。

 当時の同僚チャニング・フライとともにホスト役を務めるポッドキャスト番組『Road Trippin'』にて、ジェファーソンはレブロンと一緒にプレーすることの難しさを「最悪」と表現し、次のように語った。

「レブロンと一緒にプレーするのは最悪だった。チャンピオンシップを勝ち獲ろうとしていたからね。彼はアメリカンスポーツ史上、最も負けず嫌いな人間の1人なのさ」

 さらにこう続ける。

「何が最悪かって、例えば練習するためにジムに到着したとしよう。そしたら彼はすでに4時間も練習しているんだ。もう『なんてこった…』って感じさ。フィルムを観ていても、あるプレーを台無しにして、『まったく、何をやっているんだ?』って感じなんだ」
 
 マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)やコビー・ブライアント(元レイカーズ)といったスーパースターたちは、観ている者を魅了する一方、闘争心が旺盛すぎるがゆえに、チームメイトたちを巻き込んでトラブルになってしまうケースもあった。

 ジェファーソンは両選手を引き合いに出して、彼らのレジェンドたる所以を力説する。

「ジョーダンとプレーすること、コビーとプレーすることもそう。偉大な選手たちと一緒にプレーする際には辛辣な声も多数聞こえてくる。彼らのように偉大な選手は(周囲の選手にも)満足のいくプレーを要求してくる。それは彼らが最高レベルで勝とうとしているからこそなんだ」

 優勝したシーズン、キャブズはイースタン・カンファレンス首位の57勝25敗(勝率69.5%)でレギュラーシーズンを終え、プレーオフを12勝2敗で勝ち上がってファイナルに進出。

 頂上決戦ではゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に1勝3敗と王手をかけられたものの、ギアを上げたレブロンとアービングが驚異的なスコアラーと化し、第5戦から3連勝でシリーズを制して球団初優勝を成し遂げた。

 ジェファーソンとともにロールプレーヤーとして優勝に貢献したフライは、レブロンの凄みをこう語る。

「このリーグには出場時間を得るためにプレーする選手、オールスターになるためにプレーする選手、殿堂入りするためにプレーする選手たちが一定数いる。レブロン・ジェームズはと言うと、チャンピオンシップを獲得するため、歴代最高の選手になるためにバスケットボールをプレーしている。つまり、極端に言えば頂上まで上ろうとしている他の選手に対し、あの野郎は火星まで行こうとしているのさ。それほど、彼のゲームに対するアプローチは他とはかけ離れている」

 昨年末に40歳を迎え、キャリア22シーズン目を終えた今もなお、レブロンの競争心は健在で、毎シーズン王座獲得を目標にしている。その思いの強さはチームメイトたちをも驚嘆させるものなのだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)
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