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NBA

なぜコビーはその数字を選んだのか? 初の欠番でもあり、現在は八村塁も着用している背番号8の歴史【NBA背番号外伝】

出野哲也

2020.02.19

現役ではウォーカーとラビーン以外にスターは不在。八村は8番の看板選手になれるか注目だ。(C)Getty Images

現役ではウォーカーとラビーン以外にスターは不在。八村は8番の看板選手になれるか注目だ。(C)Getty Images

 そのほかにも88年8月8日生まれのダニーロ・ガリナーリ(サンダー)、ドラフト8位指名のルディ・ゲイ(キングス時代。現在はスパーズで22番)、チャニング・フライ(元サンズほか)、ボグダン・ボグダノビッチ(キングス)など、8を選んだ理由は様々だが優秀なシューターが揃っている。

 デロン・ウィリアムズはジャズにずっと残っていたら、欠番になった可能性もあった。イリノイ大時代は5番だったが、ジャズ入団時にカルロス・ブーザーが着用していたため、ドラフト3位指名ということで3を足して8にした。ネッツ移籍以降は徐々に成績が下降してしまったが、キャブズでの最後の1年に31番だった以外、ずっと8番をつけ続けた。近年はデロン以外にもパティ・ミルズ(スパーズ)、マシュー・デラベドーバ(キャブズ、現在は18番)のオーストラリア人コンビ、スペンサー・ディンウィディー(ネッツ)と8番のPGが増加傾向にある。ホーネッツでは15番だったケンバ・ウォーカーは、セルティックス移籍時にトム・ハインソーンの永久欠番だったため、5月8日生まれとの理由で8番にした。

 15年のスラム・ダンクコンテストにて史上2番目の若さで王座に就いたザック・ラビーン(ブルズ)は、ガードの両ポジションを務められるコンボガードで、現役の8番ではウォーカーと並び代表格と言えるだろう。
 
 ビッグマンでは、ビズマック・ビヨンボ(ホーネッツ)が無限(∞)の記号に似ているとの理由で8番。12-13シーズンに平均ブロック(2.83)でリーグ2位にランクしたラリー・サンダースもいたが、素行に問題があって早々にリーグから消えた。15年のドラフト3位でシクサーズ入りしたジャリル・オカフォー(今季途中に9番に変更)も、1年目に平均17.5点をあげたのがピークで以後は成績が下がり続けている。

 シューター/スコアラー以外では、“ラバーバンド・マン”ことミッキー・ジョンソン、リーグ初のロシア人プレーヤー、アレクサンドル・ボルコフ、01年にシックスマン賞を受賞したアーロン・マッキーなどが思い浮かぶ。また、50年に黒人選手として初めてNBAのチームと契約し、8年間プレーしたナサニエル・クリフトンは、14年8月8日に殿堂入りを果たしている。

 そして我らが八村塁(ウィザーズ)ももちろん8番。その理由も日本人には説明不要で、代表チームでもこの番号だ。

 コビーの事故死を受け、追悼の意味で8番をつける選手や、逆にディンウィディー(26番に変更)のように敬意を表して他の番号に変える選手もいるが、八村は8番を継続する。コビーの業績を称えるのには、背番号を空き番にする以外にも方法はある。自らが一流選手となって、背番号8のステータスを上げることもその一つで、それこそが八村に求められることであるはずだ。

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2015年6月号掲載原稿に加筆・修正。

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