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NBA

再びあの景色を見るために――古豪ピストンズ復活のキーマンが語る、“苦難のルーキーイヤーから得た学び”と“未来への決意”<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.11.07

 トンプソンは、28連敗を喫した要因は「自分たちのゲームプランを最後までキープできなかったこと」にあったと指摘している。

「第2、第3クォーターまではシステム通りにプレーするのに、終盤になると『絶対に勝たないと』と焦るあまり、本来自分たちのベストを出せるはずのシステムから逸脱してしまっていた。でも勝つチームというのは、最初のクォーターと同じ戦い方を第4クォーターでもできているんだ」

 そんななかでもトンプソンは、リーダー役を担ったケイド・カニングハムの、「どんな時も決して愚痴を言わず、他人を責めたりしない。そんな彼の姿がチームを導いた」とも語っている。

 敗因から学んだゲーム運び、ベテランたちの統率力、そして若きエースのリーダーシップ。それらが融合して、ピストンズは勝てる集団へと再生したのだった。

 そして今季、3年目を迎えたトンプソンが己に課しているのは、がむしゃらなディフェンスだという。

「どの街でプレーするかは、自分のプレースタイルを形作る上でものすごく影響を与えると僕は常々思っているんだ。先駆者たちが残したものは完全に消え去ることはない。とりわけデトロイトみたいな街ではね。デトロイトで頂点に立ったチームには必ず、粘り強いディフェンダーがいた。スチュ(アイザイア・スチュワート)はその典型。僕自身もその一員だと感じている」
 
 同じ年のドラフトでヒューストン・ロケッツから全体4位指名を受けた双子の兄アメンは、昨季オールディフェンシブチームに選出された。その彼と幼少期から1オン1を繰り返してきたことも、アサーの守備的メンタリティーを養うのに役立ったという。

 2023年のデビュー戦ではいきなり7リバウンド、5ブロックをマークして周囲をあっと言わせたが、今季も8試合を終えた時点でスモールフォワードの中ではリーグ3位の平均6.9リバウンドを記録するなど、トンプソンはディフェンスに心血を注いでいる。

 チームとしてもディフェンシブ・レーティングは現在イーストで1位、リーグ全体でも3位と、守備意識の高さは成績にも表れている。

 トンプソンは、生まれて初めてプレーオフでの勝利を経験した、昨季のマディソンスクエア・ガーデンでの第2戦を、「一生忘れない」と語る。

「デトロイトはまたプレーオフの景色を見る必要がある。僕はそれを手に入れるために必死に戦った。最後はファウルアウトしてしまったけど、でもあれが初めて経験したプレーオフの勝利だった。絶対に忘れないよ」

 今季も再びその景色を見るために、伸び盛りの22歳は、いっそう奮起することだろう。

文●小川由紀子

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