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NBA

“神様”ジョーダンが背負い、現在は“キング”レブロンが着用。スーパースターに引き継がれる23番の歴史【NBA背番号外伝】

出野哲也

2020.03.17

現代の23番と言えばレブロン。“キング”はヒートでは欠番だったため6番を背負ったが、キャブズ時代と現在所属するレイカーズでは23を着用している。(C)Getty Images

現代の23番と言えばレブロン。“キング”はヒートでは欠番だったため6番を背負ったが、キャブズ時代と現在所属するレイカーズでは23を着用している。(C)Getty Images

 何度も背番号を変え続けたリーグきっての奇人メッタ・ワールドピースは、まだロン・アーテストの名前だったペイサーズ時代の02~04年に23番。その後は敬意の対象をデニス・ロッドマンに変えて91番となった。

 ワールドピースとプレースタイルが似ていて、一言多い点も共通するドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)もこの番号。ただしジョーダンではなく、ミシガン州立大の先輩であるリチャードソンに憧れて選んだものだった。お騒がせ男の系譜ではホーネッツ時代のJR・スミス、そしてウルブズとシクサーズでチームメイトと揉めたジミー・バトラー(ヒート)も、両球団に在籍時は23番だった。

 ジョーダンが登場する以前から、23番には優秀なスコアラーが多かった。1970年代にホークスで活躍し、7年連続で平均20点以上を記録したルー・ハドソン、ロケッツのPGを務めたカルビン・マーフィーがその代表格。マーフィーは身長175㎝と小柄だったが、アシストよりも果敢にゴールを狙い大量得点を稼ぎ出した。フリースローの達人としても有名で、ハドソンともども欠番になっている。さらに遡ると、セルティックス黄金時代を支えた選手の一人フランク・ラムジーも55~64年までこの番号を背負い、永久欠番第1号となった。また主にネッツで活躍したジョン・ウィリアムソンは45歳の若さで亡くなり、23番は同球団の欠番となっている。
 
 84年のロサンゼルス五輪でジョーダンとチームメイトだったウェイマン・ティスデイルも、12年間23番をつけ続け、44歳で早逝。ノーム・ヴァンライアーは2番の期間が長かったが、72年にブルズの初代23番となった。その後ブルズではジョーダン入団までに5人の選手が23番をつけたが、いずれも大成はしなかった。ジョーダン絡みでは、ロッド・ヒギンズもキャブズ時代の1年のみ23番。ブルズ時代のチームメイトでゴルフ仲間でもあるジョーダンがボブキャッツ(現ホーネッツ)のオーナーに就任した際には、GMとして抜擢された。

 そのほかの23番では、コビー・ブライアントの父ジョーがシクサーズ、クリッパーズ時代を通じて、かつてジャズで指揮を執ったタイロン・コービンがホークス時代以外はすべてこの番号。80年代にナゲッツで活躍したTR・ダンは最高でも平均8.2点止まりの選手だったが、守備の達人として知られていた。ナゲッツでは06~08年に3年連続ブロック王のマーカス・キャンビーもそう。変わったフォームでシュートを決め続けたケビン・マーティン。2011年にはアル(当時ウォリアーズ)とマーカス(当時キングス)のソーントン兄弟が揃って23番をつけていた。

 現役ではシックスマンの代名詞となったルー・ウィリアムズ(クリッパーズ)がキャリアの大半で23番。ラプターズの欠かせない戦力になったフレッド・ヴァンブリート、ピストンズ移籍後は今ひとつのブレイク・グリフィンの名前も挙がる。

文●出野哲也
※『ダンクシュート』2013年5月号掲載原稿に加筆・修正。

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