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NBA

【コビー・ブライアント物語・Part4後編】41歳で突然訪れた人生の終焉。しかし彼の残したレガシーは未来永劫受け継がれていく

大井成義

2020.03.22

コビーにとってヘリコプターの利用はごく身近なものだったが、それが今回の悲劇につながってしまった。(C)Getty Images

コビーにとってヘリコプターの利用はごく身近なものだったが、それが今回の悲劇につながってしまった。(C)Getty Images

 午前9時6分、コビーとジアナ、彼女のチームメイトと家族、アシスタントコーチ、パイロットの計9人を乗せたヘリコプターが、ジョン・ウェイン空港を出発した。マンバ・スポーツアカデミーは、キャマリオ空港から車で20分の場所にある。自宅からアカデミーまで、車だと2時間かかるが、ヘリコプターなら30分弱の飛行時間で着く。

 9時21分、航空管制官から連絡が入り、空域が混雑しているため空中待機せよとの指示が入る。約12分のサークル飛行中、パイロットはSVFR(特別有視界飛行方式)をリクエスト。SVFRによる飛行時は、管制官と連絡を密に取ることが要求される。

 9時33分、SVFRで管制官の指示に従いながら霧中の飛行を再開。その間、パイロットは飛行の手助けをしてもらうべく、管制官と直接音声で細かい情報のやりとりをする“フライト・フォローイング”による誘導を要請するが、そうするには高度が低すぎると告げられる。するとパイロットは雲の層を避けるため上昇していると連絡。それを最後に交信は途絶えた。
 
 9時42分、極端な高度の低さに管制官が意図を尋ねるも、応答はなし。

 9時44分、ヘリコプターは左に進路を取りながら急降下を始める。

 9時45分、レーダーから機体が消え去る。9人を乗せたヘリコプターは、カラバサスの標高331mの斜面に激突した。

 9時47分、911(緊急通報用電話番号)に事故の第一報が入る。国家運輸安全委員会によると、事故現場は〝非常に悲惨な光景〞であり、機体の破片は約180mの範囲に渡り飛散していた。

 1月28日、9人の遺体がすべて収容される。1月29日、DNA検査と指紋照合の結果、9人の身元を確認。事故から1週間後の2月2日、コビーとジアナの遺体が遺族の元へ還り、2月7日、ニューポートビーチの自宅からほど近い墓地に埋葬された。

■死後、最初のホームゲームでは、先発全員がコビーの名前で紹介

 コビーのヘリコプター事故死を最初に報じたのは、芸能情報サイト『TMZ』だった。事故発生からわずか1時間半後の11時24分に第一報が報じられ、そのショッキングなニュースは凄まじい速度で世界中を駆け巡った。
 
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