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NBA

【コビー・ブライアント物語・Part4後編】41歳で突然訪れた人生の終焉。しかし彼の残したレガシーは未来永劫受け継がれていく

大井成義

2020.03.22

コビーへの追悼スピーチで、レブロンは用意していた原稿ではなく自身の言葉で想いを語った。(C)Getty Images

コビーへの追悼スピーチで、レブロンは用意していた原稿ではなく自身の言葉で想いを語った。(C)Getty Images

 この日、1試合目のヒューストン・ロケッツ対デンバー・ナゲッツ戦が始まったのは、事故の第一報から約1時間後。会場では黙祷が捧げられ、実況アナウンサーをはじめとする多くの番組出演者、そして観客たちが打ちひしがれ、涙に暮れていた。

 ステイプルズ・センターには幾千ものファンが献花や思い出の品を手に訪れ、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)をはじめとする数多のNBAレジェンド、世界中の有名アスリート、著名人、アメリカ歴代大統領も追悼の意を寄せた。身内のような間柄だったシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)、ジェリー・ウエスト(元レイカーズ)、トレイシー・マッグレディ(元オーランド・マジックほか)らは、テレビ番組に出演中であるにもかかわらず、こらえきれずに号泣した。

 1月27日、コビーの2020年度ネイスミス・バスケットボール殿堂入りが事実上確定する。2019年12月にノミネートされ、公式発表は4月を予定しているものの、殿堂のチェアマンを務めるジェリー・コランジェロが、事故を受けて「コビーは殿堂入りすべき」と明言。
 
 1月28日に予定されていたレイカーズ対ロサンゼルス・クリッパーズ戦は延期となり、31日に開催された対ポートランド・トレイルブレイザーズ戦が、レイカーズにとって追悼試合となった。いくつかの心にしみるセレモニーの後、最後にチームを代表して追悼スピーチを述べたのは、キャプテンのレブロン・ジェームズだった。事故の前日にコビーのキャリア通算得点を抜いたレブロンは、事故当日の朝もコビーと電話で話したという。

「これを読み上げたら、レイカーネイションを裏切ることになる」と、用意していた手書きのスピーチ原稿を床に落とし、自分の言葉で想いを語った。そのスピーチはエモーショナルで、ある種の決意表明のようでもあった。

 試合開始前、両チームの選手紹介が行なわれた。PAアナウンサーのローレンス・タンターが、ブレイザーズの選手に続き、いつもの渋い声でレイカーズのスターティングラインナップを紹介。するとこの日のレイカーズは、先発5人全員が同一人物だった。

“the other guard, No.24, 6’6’’, 20th year, out of Lower Merion HighSchool, Koobeeee Bryant!”

“starting at center, No.24, 6’6’’, 20th season, from Lower Merion High School, Koobeeee Bryant!.....

文●大井成義

※『ダンクシュート』2020年4月号より転載。

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