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NBA

レイ・アレンが2013年ファイナルの劇的弾を回顧「ボッシュにどうして僕にパスしたか聞いたんだ。そしたら彼は…」

秋山裕之

2020.04.14

2018年に殿堂入りを果たしたアレン。キャリアを通じて沈めた数々のクラッチシュートは、日々の練習の成果だと語った。(C)Getty Images

2018年に殿堂入りを果たしたアレン。キャリアを通じて沈めた数々のクラッチシュートは、日々の練習の成果だと語った。(C)Getty Images

 ヒートは延長の末に第6戦を制し、その勢いに乗って最終戦にも勝利して2連覇を達成。アレンは第6戦で9得点、第7戦では無得点に終わったものの、優勝へとつながった劇的弾は、NBA史上でも屈指の名シーンとして刻まれている。

 もっとも、普段は温厚なアレンはあの場面で怒りの感情を内に秘めていたという。2018年10月に来日した際、当時の心境について明かしてくれた。

「あのショットを放った瞬間、僕は怒っていた。というのも、あの状況で我々は3点差で負けていたから、何とかして勝たなければいけないと思っていたし、会場全体が『もうヒートが負けるんだろう……』という雰囲気になっていた。自分たち以外が皆そう思っていたんだ。だから『俺たちはここに残ってるんだぞ!』ということを示したい気持ちが強かったね」
 
 この時のファイナル以外にも、キャリアを通じて数々のクラッチショットを沈めてきたアレンだが、思い入れのあるショットについて聞いてみると、いかにもアレンらしい答えが返ってきたのが印象深い。

「ほかのショットについては、多すぎるので選べないね。試合を決定づけたショットもたくさんあった。でも何よりも、それらはすべて練習でやっていたことなんだ。僕にとっては、練習で打ってきたシュートが印象に残っているよ」

 連覇をかけて迎えた大一番、負ければ敗退の場面でショットを託されたあの瞬間のプレッシャーは、想像を絶する。そんな状況下で、アレンはバックステップからボールを受け取り、3ポイントラインを一瞬確認しただけで跳び上がり、美しいショットをねじ込んだのだから流石というほかない。このプレーもきっと、日々の練習でシチュエーションを想定し、何度も繰り返し打ち続けていた内の1本だったに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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