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NBA

【背番号外伝】リラードにウエストブルック、アリナス…スター選手たちが「0番」に込めたそれぞれの想いとは?

出野哲也

2020.04.17

“エージェント・ゼロ”の異名を持つアリナスは、大学時代に「お前のプレータイムなんて0分だ」と言われた悔しさを忘れないよう、0番を着用していたという。(C)Getty Images

“エージェント・ゼロ”の異名を持つアリナスは、大学時代に「お前のプレータイムなんて0分だ」と言われた悔しさを忘れないよう、0番を着用していたという。(C)Getty Images

 引退した中で最大のスターは“エージェント・ゼロ”の異名をとったギルバート・アリナスだろう。高校時代につけていた25番は、アリゾナ大ではスティーブ・カー(現ゴールデンステイト・ウォリアーズHC)の欠番だったため0番に変更した。「入学当時は全然期待されてなくて、周囲から『お前のプレータイムなんて0分だ』と言われた。そんな連中を見返すためにこの番号を選んだのさ」。ケガやコート外のトラブルに見舞われ、活躍した期間は短かったものの、実力は折り紙つきでキャリアハイは60得点。最盛時にはワシントン・ウィザーズのエースとして平均30点近くを稼ぎ出し、05年から3年連続でオールスターに選ばれた。

 ラッセル・ウエストブルック(ヒューストン・ロケッツ)の好きな数字は4ということだが、大学では別の選手がつけており「新しい生活を始めるにあたって、ゼロからスタートを切る」意味を込めた。サンダー時代に3年連続年間トリプルダブルの離れ業をやってのけ、MVPにも輝くなど、0番の出世頭となっている。

 リラード、ウエストブルック以外にもディアンジェロ・ラッセル(ウルブズ)や、ジェフ・ティーグ(アトランタ・ホークス)とエイブリー・ブラッドリー(ロサンゼルス・レイカーズ)も、今は別の番号だが0番で活躍した時期が長く、ガードの選手が多く着用しているイメージがある。
 
 フォワードではラブのほか、ボストン・セルティックスの新進スターであるジェイソン・テイタム、カイル・クーズマ(レイカーズ)、マイルズ・ブリッジズ(シャーロット・ホーネッツ)ら、近年になってつける選手が増えている。ショーン・マリオンは全盛期のフェニックス・サンズ時代は31番。09年にダラス・マーベリックスに移籍した際、同僚のジェイソン・テリーから「31番を譲ってもいい」と言われた。だが番号変更申請の時期が過ぎていたため実現せず、テリーがチームを去ったあとも0番を継続した。

 ビッグマンではデマーカス・カズンズが、17年にサクラメント・キングスからニューオリンズ・ペリカンズへトレードされた際、0番に変更。18年にはオールスターに選ばれていたがアキレス腱を断裂して出場できず、代わりにチームメイトのアンソニー・デイビスがカズンズのユニフォームを着た。レイカーズに移籍した今季は、クーズマがいたのでキングス時代の15番を復活させたが、ケガで1試合も出ないまま2月にウェーバーにかけられてしまった。

 アンドレ・ドラモンドはデトロイト・ピストンズでの1年目に1番をつけたが、チャンシー・ビラップスがピストンズに復帰した際に返上して0番に。ビラップスは「アンドレの番号はいずれ欠番になるだろう」とその実力を高く評価し、実際3度もリバウンド王になったが、今季途中でキャバリアーズにトレードされて背番号3に変わっている。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2014年10月号掲載原稿に加筆・修正。
 
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