だがこの年は史上最高級の豊作年であり、１位でアキーム・オラジュワン（元ヒューストン・ロケッツほか）、３位でジョーダンが指名されたほか、５位でチャールズ・バークレー（元フェニックス・サンズほか）、16位でジョン・ストックトン（元ユタ・ジャズ）という将来の殿堂入り選手を４名も輩出しているだけに、ブーイの指名を“失敗”と指摘するファンやメディアが多かった。

　５月19日（日本時間20日、日付は以下同）に『USA Today』へ掲載された記事の中で、インマンはジョーダンが２度目の引退をした99年に「そういうストーリーはどのスポーツにもあること。どの年のドラフトでも、その時の指名を後悔させるような疑問が浮上してくるものだ」と話していたという。

　もちろん、スポーツ界に“たら・れば”は禁物なのだが、ジョーダンとドレクスラーがブレイザーズのユニフォームに袖を通して、“チームメイトとしてプレーしていたら？”という想像はやはり気になるところ。アメリカでもこのストーリーはWhat ifという企画でも上位に入るほど人気と言っていい。
  　実はこのWhat ifについて、92年に両選手がコメントしていたと同メディアが報道。「私たちはうまく共存できていたと信じている」とドレクスラーが言えば、ジョーダンも「後になってからの判断ではあるけど、俺たちは互いにアジャストできていただろう。俺たちにはそうできるだけのスキルがあったからだ。うまくいっていたんじゃないか」と口にしていた。

　クレイ・トンプソン（ゴールデンステイト・ウォリアーズ）の父で、ブレイザーズ時代のドレクスラーをチームメイトとして間近で見てきたマイカル・トンプソンは「もしブレイザーズがマイケル・ジョーダンを指名していたら、彼とドレクスラーは10年、いや15年間はＮＢＡで王朝を築いていただろう」と話している。