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NBA

NBAが22チームで7月末のシーズン再開へ。プレーオフ最終枠を巡る“変則ルール”、開催地、ホームコート・アドバンテージの行方は?

秋山裕之

2020.06.04

今季は全休が濃厚だったウォールだが、復帰が叶えばウィザーズにとって大きな戦力アップに。プレーオフ進出も現実味を帯びてくる。(C)Getty Images

今季は全休が濃厚だったウォールだが、復帰が叶えばウィザーズにとって大きな戦力アップに。プレーオフ進出も現実味を帯びてくる。(C)Getty Images

 スケジュールは未発表ではあるものの、82試合で行なわれる本来のレギュラーシーズンのように、同じカンファレンスのチームと5試合以上、または別カンファレンスのチームと3試合以上を対戦することはないだろう。

 例えば、レイカーズはシーズン中断時点でイーストのセルティックス、ネッツ、ヒート、バックス、マジック、シクサーズとすでに2度ずつ戦っており、ウエストのチームでもマーベリックス、グリズリーズ、ペリカンズとは4試合行なっているため、それ以外のチームと計8試合が組まれることが予想される。

 プレーオフ枠をかけた戦いは、イーストが3チーム(ネッツ、マジック、ウィザーズ)、ウエストでは6チーム(グリズリーズ、ブレイザーズ、ペリカンズ、キングス、スパーズ、サンズ)による争いとなりそうだ。

 今後の展開を左右しそうな要素としてはケガ人のコンディションだろう。3月上旬に左大腿四頭筋を断裂してしまい、無期限の戦線離脱となっていたペイサーズのマルコム・ブログドンは中断期間に回復しており、シーズン再開となれば戦列復帰が確実視されている。

 また、シーズン中断当初は6月中旬から下旬に再開予定と予想されていたため、アキレス腱断裂という大ケガを負っていたネッツのケビン・デュラント、ウィザーズのジョン・ウォールらの復帰は厳しいと報じられていたが、7月末の再開となれば、電撃復帰の可能性もゼロではない。それが実現すれば、ネッツとウィザーズは一気に要注目チームとして浮上することもあり得る。
 
 さらに気になるのは、プレーオフでのホームコート・アドバンテージの行方。通常では上位シードのチームがホームで1試合多くプレーできるが、1か所での開催ではその利点がない。

 そのため、チームのエグゼクティブたちはホームコート・アドバンテージの代替案として、下記の権利をNBA側に提案すると『ESPN』が報じている。

■ホームコート・アドバンテージの代替案
・第2~4クォーターでの最初のポゼッションの権利を得る
・上位シードのチームの選手のうち、1名は6ファウルまで許される(7ファウル目でファウルアウトになる)
・コーチによるチャレンジの権利を1回多くする
・上位チームは自分たちのホームアリーナのフロアを中立地に持ち込める
・プレーオフ期間中に滞在するホテルを選べる

『ESPN』による取材に対し、とあるチームのエグゼクティブは「NBAはホームコート・アドバンテージについても対処しなければいけない。それは最優先事項ではないがね」と話していたという。

 現在、アメリカでは新型コロナウイルスが終息していないなか、5月25日にミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏の死亡事件が起きたことで、NBA内でも選手やコーチ、オーナーが人種差別の撲滅を訴える態度を表明し、様々な形でメッセージを発信している。なかにはデモに参加する選手もいるが、デモの現場では人々が密集しており、新たな感染が拡大してしまう恐れがあることも否定できない。

 そういった環境のなかで、NBAがどのようにしてシーズン再開へと歩みを進めていくのか。今後の展開から目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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