とはいえ、ナゲッツを今季の優勝候補筆頭と評するメディアはほぼ皆無だろう。チームは一昨季まで2シーズン連続でプレーオフ出場まであと1勝及ばずウエスト9位でフィニッシュ。昨季はウエスト2位の54勝28敗で6年ぶりにプレーオフへと進み、ファーストラウンドでサンアントニオ・スパーズを4勝3敗で下したものの、カンファレンス準決勝でポートランド・トレイルブレイザーズに第7戦の末に敗れている。
それでも、今季ここまでの戦績を見てみると、ナゲッツはウエスト首位のロサンゼルス・レイカーズ(49勝14敗)と7位のダラス・マーベリックス(40勝27敗)にそれぞれ1勝2敗で負け越している点を除き、2位のロサンゼルス・クリッパーズ(44勝20敗)、5位のオクラホマシティ・サンダー(40勝24敗)と1勝1敗、6位のヒューストン・ロケッツ(40勝24敗)にも2勝2敗と五分。4位のユタ・ジャズ(41勝23敗)には2戦負けなし、8位のメンフィス・グリズリーズ(32勝33敗)には2勝1敗と勝ち越しており、同カンファレンスのライバル相手にも対等に渡り合っていると言っていい。
その原動力となっているマレーも、もちろん頂点だけを見据えている。記者から優勝を勝ち取ることができるのかと聞かれると、こう切り出した。
「なぜ勝てないと思うんだ? 俺たちは今のチームを構築してから、毎年のようにリーグの中でもベストなチームのひとつだと証明してきた。それに強いチーム相手にも一貫して勝利してきたんだ。俺たちは(昨年のプレーオフで)ポートラントに負けてはいけなかった。あの時は俺たちが経験不足だったこと、そして相手がいいチームだったからなのさ」
そして、「自分たちのベストなプレーをしていれば、7ゲームシリーズで俺たちを打ち負かすチームがあるとは思えないね」と力強く語った。
レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが君臨するレイカーズ、カワイ・レナードとポール・ジョージという2人の万能戦士を抱えるクリッパーズ、ジェームズ・ハーデンとラッセル・ウエストブルックの“MVPデュオ”を擁するロケッツなど、ウエストの上位陣には2人の強力なスター選手を揃えているチームが多い。
その一方で、ナゲッツはヨキッチこそオールスターに2年連続で選ばれているものの、マレーをはじめとするほかの選手たちはあくまで中の上クラスという印象がある。だがナゲッツには、長年一緒にプレーしてきたことで積み上げたチームケミストリーがある。
ヨキッチ、マレー、ギャリー・ハリス、ウィル・バートンの先発4人は2016-17シーズンから4年間、ベテランのポール・ミルサップは3年間ともにプレーしている。昨季をケガのため全休したルーキーのマイケル・ポーターJr.と新加入のジェレミー・グラントを除けば、主要ローテーションに入っている選手たちは3年以上もの間変わらぬ顔ぶれで連携を高めてきた。
シーズン再開後はタイトなスケジュールになることが予想されるものの、ナゲッツは35歳のミルサップを除く全員が20代であり、疲労からの回復という点でも他チームに比べて優位に立つことができる。
まずは昨季果たせなかったカンファレンス決勝進出、そして球団史上初のファイナルへと駒を進めることができるのか。西のダークホース、ナゲッツの今後に注目だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!
それでも、今季ここまでの戦績を見てみると、ナゲッツはウエスト首位のロサンゼルス・レイカーズ(49勝14敗)と7位のダラス・マーベリックス(40勝27敗)にそれぞれ1勝2敗で負け越している点を除き、2位のロサンゼルス・クリッパーズ(44勝20敗)、5位のオクラホマシティ・サンダー(40勝24敗)と1勝1敗、6位のヒューストン・ロケッツ(40勝24敗)にも2勝2敗と五分。4位のユタ・ジャズ(41勝23敗)には2戦負けなし、8位のメンフィス・グリズリーズ(32勝33敗)には2勝1敗と勝ち越しており、同カンファレンスのライバル相手にも対等に渡り合っていると言っていい。
その原動力となっているマレーも、もちろん頂点だけを見据えている。記者から優勝を勝ち取ることができるのかと聞かれると、こう切り出した。
「なぜ勝てないと思うんだ? 俺たちは今のチームを構築してから、毎年のようにリーグの中でもベストなチームのひとつだと証明してきた。それに強いチーム相手にも一貫して勝利してきたんだ。俺たちは(昨年のプレーオフで)ポートラントに負けてはいけなかった。あの時は俺たちが経験不足だったこと、そして相手がいいチームだったからなのさ」
そして、「自分たちのベストなプレーをしていれば、7ゲームシリーズで俺たちを打ち負かすチームがあるとは思えないね」と力強く語った。
レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが君臨するレイカーズ、カワイ・レナードとポール・ジョージという2人の万能戦士を抱えるクリッパーズ、ジェームズ・ハーデンとラッセル・ウエストブルックの“MVPデュオ”を擁するロケッツなど、ウエストの上位陣には2人の強力なスター選手を揃えているチームが多い。
その一方で、ナゲッツはヨキッチこそオールスターに2年連続で選ばれているものの、マレーをはじめとするほかの選手たちはあくまで中の上クラスという印象がある。だがナゲッツには、長年一緒にプレーしてきたことで積み上げたチームケミストリーがある。
ヨキッチ、マレー、ギャリー・ハリス、ウィル・バートンの先発4人は2016-17シーズンから4年間、ベテランのポール・ミルサップは3年間ともにプレーしている。昨季をケガのため全休したルーキーのマイケル・ポーターJr.と新加入のジェレミー・グラントを除けば、主要ローテーションに入っている選手たちは3年以上もの間変わらぬ顔ぶれで連携を高めてきた。
シーズン再開後はタイトなスケジュールになることが予想されるものの、ナゲッツは35歳のミルサップを除く全員が20代であり、疲労からの回復という点でも他チームに比べて優位に立つことができる。
まずは昨季果たせなかったカンファレンス決勝進出、そして球団史上初のファイナルへと駒を進めることができるのか。西のダークホース、ナゲッツの今後に注目だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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