「僕らはフロップ(意図的に倒れること)をしようとしていたんだ。なるべく自然にね。で、(シャックの)オフェンシブ・ファウルを誘ってゲームから締め出すようにした。でもね、彼は兄貴がフロップすることを知っていたから、真っ先にポストで素早い動きを見せてファウルを獲得したんだ。巨額のサラリーに見合うプレーをしてきたよ」
ジャロンはシャックと実際にマッチアップした時のことをこう振り返る。
「彼が右側へ向かって、ドリブルを2回突いた後、ベースラインへとステップバックしたんだ。で、ドロップステップしてから340ポンド(約154㎏)の巨体を動かして跳び上がってね……」
そしてジャロンはボースハンドダンクで相手リングを蹴散らす“シャックアタック”の餌食となり、「(シャックの身体がぶつかってきて)僕はそこでぶっ倒れてしまったのさ」と自虐的に話していた。
150キロ近いシャックとぶつかっている間、マッチアップ相手は押し出されないように辛抱強く耐えなければならない。だがシャックの持つスピードとクイックネスはそこからターンやドロップステップ、あるいはジャンプまで持ち込むことができたため、マッチアップ相手は成す術がなかったのである。
また、ジャロンはダンカンとのマッチアップにも苦しんだという。
「あの男はバスケットボールプレーヤーとして、ものすごくスキルが備わっていた。ディフェンスする時は、たいていマッチアップ選手の得意とするムーブをさせまいとするんだけど、そこで相手は別のオプションでカウンターを仕掛けてくる。でもダンカンの場合はまたさらにムーブがあって、それを駆使して仕留めてくるんだ」
もっとも、ジャロンがマッチアップしてきたのはシャックとダンカンだけではない。「クリス・ウェバー、ラシード・ウォーレス、ケビン・ガーネット、エルトン・ブランド……。毎晩、僕は彼らと向き合ってきた。リーグの中でも指折りの才能を持っていた選手たちさ」と好敵手たちとのマッチアップを懐かしんでいた。
ビッグマンたちはリング下で簡単にショットを決めさせまいと、ファウルで止めにいくケースが多く、ジャロンも例外ではない。36分換算で見てみると、2002-03シーズンは平均6.0ファウル、08-09シーズンに至っては平均6.3ファウルと、ファウルアウト覚悟のファウル要員と言ってもいい役割だった。
それでも、平均キャリアが5年前後という世界最高のリーグで10年間もコートに立ち続け、身体を張ってきたのだから立派なこと。現役時代には果たせなかった優勝も、ウォリアーズでACとして3度も経験できたのだから、決して悲観することはないだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
ジャロンはシャックと実際にマッチアップした時のことをこう振り返る。
「彼が右側へ向かって、ドリブルを2回突いた後、ベースラインへとステップバックしたんだ。で、ドロップステップしてから340ポンド(約154㎏)の巨体を動かして跳び上がってね……」
そしてジャロンはボースハンドダンクで相手リングを蹴散らす“シャックアタック”の餌食となり、「(シャックの身体がぶつかってきて)僕はそこでぶっ倒れてしまったのさ」と自虐的に話していた。
150キロ近いシャックとぶつかっている間、マッチアップ相手は押し出されないように辛抱強く耐えなければならない。だがシャックの持つスピードとクイックネスはそこからターンやドロップステップ、あるいはジャンプまで持ち込むことができたため、マッチアップ相手は成す術がなかったのである。
また、ジャロンはダンカンとのマッチアップにも苦しんだという。
「あの男はバスケットボールプレーヤーとして、ものすごくスキルが備わっていた。ディフェンスする時は、たいていマッチアップ選手の得意とするムーブをさせまいとするんだけど、そこで相手は別のオプションでカウンターを仕掛けてくる。でもダンカンの場合はまたさらにムーブがあって、それを駆使して仕留めてくるんだ」
もっとも、ジャロンがマッチアップしてきたのはシャックとダンカンだけではない。「クリス・ウェバー、ラシード・ウォーレス、ケビン・ガーネット、エルトン・ブランド……。毎晩、僕は彼らと向き合ってきた。リーグの中でも指折りの才能を持っていた選手たちさ」と好敵手たちとのマッチアップを懐かしんでいた。
ビッグマンたちはリング下で簡単にショットを決めさせまいと、ファウルで止めにいくケースが多く、ジャロンも例外ではない。36分換算で見てみると、2002-03シーズンは平均6.0ファウル、08-09シーズンに至っては平均6.3ファウルと、ファウルアウト覚悟のファウル要員と言ってもいい役割だった。
それでも、平均キャリアが5年前後という世界最高のリーグで10年間もコートに立ち続け、身体を張ってきたのだから立派なこと。現役時代には果たせなかった優勝も、ウォリアーズでACとして3度も経験できたのだから、決して悲観することはないだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)